横山武も驚いたソールオリエンスの高いポテンシャル

2025年1月17日 10:17

23年京成杯制したソールオリエンス(撮影・村上 大輔)

 【競馬人生劇場・平松さとし】
 今週末、中山競馬場では京成杯(G3)が行われる。一昨年このレースを制したのがソールオリエンス(美浦・手塚貴久厩舎)だ。手綱を取ったのは横山武史騎手。当時、話を伺うと、次のように言っていた。

 「レースの前、2週にわたり調教で乗らせてもらいました。周囲を気にするなど、精神的にまだ子供っぽいところがあったし、肉体的にもトモを中心に全体的に弱い感じがありました」

 また、走りの特徴として少し気になる点もあったと続けた。

 「右に倒れるような感じで走るんですよね…」

 レースでは9頭立ての2番人気という支持を受けるのだが、鞍上の手応えは少々辛口だったわけだ。ところが、実戦へ行くと、横山武史騎手は驚かされることになった。

 「4コーナーで膨らむなど、やっぱり幼い感じがあったけど、最後に追ってからの脚は桁違いでした。相当、ポテンシャルが高いと感じました」

 同時に、もう一つ驚かされたことがあったという。

 「調教では右に倒れるような感じだったのに、競馬では逆に左へ行きました」

 しかし慌てることなく対処して勝利に導いたのは、さすが若くても乗れるジョッキーならでは、と感じさせたものだ。

 さて、その後のソールオリエンスは、約3カ月の休養を挟んで皐月賞(G1)にぶっつけで挑んだ。

 「この時も調教で乗り、仕上がりの良さは感じていました。“京成杯からぶっつけで皐月賞に挑んで勝った馬はいない”というデータも耳に入っていたけど、ソールオリエンスの能力の高さと仕上がりの良さは分かっていたので、気になりませんでした」

 結果は皆さんご存じの通り。データを打ち破り、あっさりと1冠をモノにしてみせた。

 ちなみに昨年の京成杯は横山武史騎手の父・典弘騎手の乗るダノンデサイルが勝利。同馬は後に日本ダービー(G1)も優勝した。今年もクラシックに直結する馬が出ているかもしれない。注目しよう。 (フリーライター)

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