【中山記念】シックスペンス貫禄!馬なりでラスト1F11秒2 国枝師「骨格全体がひと回り大きくなった」

2025年2月27日 05:18

併せで追い切るシックスペンス(左)(撮影・村上大輔)

 古馬G2「第99回中山記念」(1着馬に大阪杯優先出走権)は4歳シックスペンスが美浦Wコースで鋭い動き。毎日王冠V以来、4カ月半ぶりでも態勢は整っている。

 旧硬貨シックスペンスコインを花嫁の靴の中に忍ばせて挙式すると幸運が訪れる、という。英国の有名なおまじないである。その旧硬貨と同じ名の4歳馬も靴(蹄)の中に細工を忍ばせた途端、脚元の不安が解消した。国枝師は「右前の蹄に悩まされてきたが、装蹄のくぎを(痛覚のない)ぎりぎりのところで打つなど工夫してもらって良くなった」と胸をなで下ろす。

 最終追いでも、おまじないをかけられたかのようにシックスペンスははじけた。Wコースの直線。3馬身先行したサトノトルネード(5歳2勝クラス)の内に進路を向けると、馬なりで1馬身突き放した。ラスト1F11秒2の瞬発力。「前蹄に負担がかからないように先週までは坂路を使ってきたが、蹄の不安がなくなったためWコースで調教できた。休み明けで20キロ近く増えているが成長分もある。骨格全体がひと回り大きくなった」と師は続けた。

 昨秋の毎日王冠で古馬を一蹴。マイルCSでも有力視された。だが、その1週前追い切り後、右前蹄に炎症が起きて回避。来年2月で70歳定年を迎える国枝師のラストシーズンにG1獲りの期待が懸かる一頭だ。「スピードと反応の速さが持ち味。ナーバスな面も解消されて我慢が利くようになった。スプリングSを勝った舞台だし、好位からしまいの脚を生かしたい」。手がけるのは蹄のトラブルに泣くアーモンドアイを救った牛丸広伸装蹄師。靴の中に“名工”の細工を忍ばせれば、勝負の1年に幸運が訪れる。

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