【チューリップ賞】ウォーターガーベラ加速!河内師が弟弟子・武豊とのコンビでラスト重賞挑む

2025年2月27日 05:30

武豊を背に坂路をウォーターアデル(左)と併せ馬で追い切るウォーターガーベラ

 兄弟弟子タッグでラスト重賞Vをつかみ取る。リニューアル阪神の開幕重賞となる桜花賞トライアルG2「第32回チューリップ賞」(3着まで優先出走権)の最終追い切りが26日、東西トレセンで行われた。3月4日で引退する河内師の管理馬ウォーターガーベラは初コンビの武豊が手綱を取り、栗東坂路を軽快に駆け上がった。ラスト1F12秒2で併走馬に1馬身先着。鞍上にとって23&24年と連覇中の重賞で兄弟子にはなむけの勝利を届けるか。

 冷静に判断してウォーターガーベラの人気は伏兵の域。しかし、チューリップ賞で目に焼き付けておきたい話題は河内師&武豊のコンビ。注目度が群を抜くことに「兄弟子の管理馬で、ましてや武田作十郎厩舎時代からのお付き合いがあるウォーターの冠名。最後にこんな舞台設定があるなんて…」と武豊は感慨深げだ。

 パートナーに初めてまたがる武豊は河内師の「乗りやすいぞ」という的確なひと言を耳に残して坂路へ向かった。ウォーターアデル(3歳未勝利)を追走する形からラスト軽く仕掛けられると、鋭い伸びを発揮。僚馬を1馬身突き放し、4F53秒2~1F12秒2を刻んだ。指揮官は「上がりが良かった」と目を細める。

 印象を問われた鞍上は「非力なタイプ」が最初に口を突いて出た言葉。前走のきさらぎ賞は先行する形で10着に敗れたが、2走前のシンザン記念は鋭く追い込んで3着に浮上。師は「非力だけど男馬相手によく走った」とPRした。非力ながらも強烈な切れ味を秘める。天才肌の2人もその部分を認めており、桜花賞(4月13日、阪神)の出走権がかかる一戦でも持ち味を最大限に発揮する構えだ。

 振り返れば、河内厩舎の初勝利(05年4月10日、ミッドナイトトーク)を挙げたのは武豊だった。「最後も勝てればうれしいけどね」と言い、そこからは兄弟子に対する思いがあふれ出た。デビュー当時、師匠の武田作十郎元調教師からは「河内を見習え!」が口癖だったと明かし、「僕のジョッキーの基礎は河内さんですよ。昔は師匠や兄弟子は特別な関係性。兄弟子というのは師匠以上に身近な存在でホントに兄弟みたいな感じ」と感謝を口にした。

 レース当日、河内師はチューリップ賞の阪神ではなく小倉でトレーナーとしてラストの開催日を迎える。モニターの画面で祈るのは河内師だけではなく、日本中の競馬ファンも同じ思いだろう。

 《武豊は3連覇挑戦》河内師&武豊の“兄弟弟子”タッグはJRA通算254戦36勝、そのうち重賞は11年シリウスSをヤマニンキングリーで制した。2人はチューリップ賞と相性がいい。河内師は騎手時代、当レースが重賞に昇格した第1回の94年(中京芝1700メートル戦)をアグネスパレードでV、97年にもオレンジピールで制した。武豊は騎手別最多の5勝を挙げ、そのうち近4年で3勝。23年モズメイメイ&24年スウィープフィートで勝っており、3連覇に挑む。

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