【チューリップ賞】クリノメイ 桜に名乗り!鼻差の死闘制した、酒井「うまく調整していければ楽しみ」

2025年3月3日 04:30

内から伸びるウォーターガーベラ(左奥)を抑え勝利するクリノメイ(撮影・亀井直樹) 

 ゴール前の激しい攻防。先に抜け出した酒井騎乗のクリノメイを目がけ、武豊騎乗のウォーターガーベラがインから強襲する。馬体を並べてゴール。両者ともガッツポーズはない。写真判定の結果、クリノメイが鼻差の死闘を制した。酒井は「ゴールの瞬間は内からやられたと思った。引き揚げて来る時に周りのジョッキーが“勝っているやろう”と言ってくれた。結果を残せて良かった」と大きな1勝をかみしめた。

 前半3F通過が35秒7のスローペース。開幕週の奇麗な芝を生かして2番枠からサッと好位に取りついた。直線の入り口、1番人気ビップデイジーの内から馬体を併せた。ラスト1Fで先頭に躍り出ると勝負根性を発揮。重賞Vのゴールへ飛び込んだ。「返し馬で落ち着いていたし、ゲートで暴れることなく我慢してくれた。いいスタートを切れたことが結果につながった」と勝因を振り返った。

 新馬、サフラン賞を連勝して挑んだ阪神JFはゲート内で立ち上がり、外枠発走。力を発揮できず14着に敗れた。前走後はゲート再審査となり、初コンビの酒井は中間の稽古から感触を確かめていた。「しっかりコントロールが利けば、これだけの力を発揮できる。本番までうまく調整していければ楽しみ」と先を見据えた。見守った須貝師は「枠順や雨馬場も良かったかな。厩舎で装鞍をしたことでパドックでも落ち着いていた」と入念に準備してレースに臨んだ。

 シン・阪神競馬場のオープニング重賞を勝ち、同舞台の桜花賞(4月13日)へ向け、弾みをつけた。今年は当レースの施行時期が1週早まったことで本番まで中5週。指揮官は「1週でも(間隔が)延びるのはプラス。権利を獲れたので気持ちの面を優先して調整を進めていければ」と気を引き締めた。父オルフェーヴルから受け継いだ身体能力と勝負根性を武器に、桜の主役候補に名乗りを上げた。

 ◆クリノメイ 父オルフェーヴル 母クリノエリザベス(母の父プリサイスエンド)22年5月8日生まれ 牝3歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・栗本依利子氏 生産者・北海道日高町の木村牧場 戦績4戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金7119万5000円。馬名の由来は冠名+命。

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