【日本ダービー】春2冠へ!高柳大師 ミュージアムマイルと初参戦Vに挑む「最高の結果を」

2025年5月26日 05:30

史上25頭目の春2冠制覇へ、ミュージアムマイルと日本ダービーに初挑戦する高柳大輔調教師(撮影・亀井 直樹)

 さあダービーウイーク!競馬の祭典「第92回日本ダービー」に向けた1週間が始まった。史上25頭目の春2冠制覇にチャレンジするのが皐月賞馬ミュージアムマイルだ。管理する高柳大輔師(47)は開業8年目でダービー初参戦。陣営に迫る連載企画「疾走ミュージアムマイル」でこの一戦に懸ける思い、意気込みを熱く語った。手綱を取るダミアン・レーン(31=オーストラリア)は同じく初コンビで勝利に導いた23年タスティエーラに続く2度目のダービー制覇を目指す。 

 23年春、高柳大師は牧場で当時1歳のミュージアムマイルを初めて目にした。「馬格があってバランスがいいな」というのが第一印象。そこから順調に成長曲線を描き、2戦目で初勝利を挙げると続く黄菊賞も連勝。3馬身突き抜けた勝ちっぷりに「重賞にチャレンジしたい気持ちが強くなった」と振り返る。

 G1初挑戦となった昨年暮れの朝日杯FSは2着。「道中、馬場の悪い内側を通り、不向きな展開で負けたけど力を示してくれた」。内容を評価しつつ「あのレースがあって“絶対にタイトルを獲らせたい”と強く思うようになりました」。クラシックへの意識は強まった。

 実家が北海道で生産牧場を営んでおり身近に馬がいる環境で育った。高校、大学と馬術に励み、牧場勤務で経験を積んで栗東トレセンへ。ロードカナロアを育てた安田隆行厩舎などで調教助手を務めながらトレーナーを志した。18年に開業し、テーオーケインズで21年チャンピオンズCを勝ってG1初制覇。チャンスがあれば積極的に海外にも遠征。これまでに管理馬6頭が海を渡った。「結果を残せず、凄く悔しい思いをしました。ただ、遠征でトラブルが起きた際の対応などもスタッフのスキルアップにつながるし、厩舎づくりにおいて大きくプラスになっている」

 国内外で得た経験を糧に迎えた皐月賞で、「絶対」と誓ったタイトルを手に入れた。「皐月賞はタイトなレースの中、モレイラ騎手が最高の判断をしてくれた。馬自身も厳しい展開で、よく応えてくれました」。

 歓喜のゴールから5週が過ぎ、厩舎にとって初のダービー参戦が週末に迫った。「ホースマンが目指す最高の舞台。昨年までは非現実的だったレースに皐月賞馬で臨めることがありがたい。厩舎全体の士気が上がっている。私自身はピリピリすることなく本番へ…という気持ち。その中で最高の結果を得られれば…」

 偉業へやるべきことは変わらない。「目の前のレースに最高のコンディションで送り出す」。ブレずに真っすぐ、ダービーの頂にアタックする。

 ◇高柳 大輔(たかやなぎ・だいすけ)1977年(昭52)6月7日生まれ、北海道出身の47歳。実家は北海道日高町にある高柳牧場。札幌光星高で乗馬を始め、京産大時代に全日本学生馬術大会出場。卒業後はノーザンファーム勤務を経て03年から栗東トレセンで調教助手(大久保龍志→安田隆行厩舎)。17年に調教師免許を取得し、18年に開業。美浦の高柳瑞樹師は実兄。JRA通算1846戦167勝、G1・3勝。

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