イクイノックス 選定対象初年度いきなり殿堂入り! キタサンブラックと父子2代で

2025年6月17日 05:30

23年、ジャパンCを制しG1・6連勝で有終の美を飾ったイクイノックス

 JRAは16日、25年度の顕彰馬選定の結果を発表した。記者投票により選定対象初年度のイクイノックスが143票(得票率90・5%)の得票を得て、昨年のコントレイル、キングカメハメハに続く38頭目の殿堂入り。障害で活躍したオジュウチョウサンは117票(同74・1%)で2票及ばなかった。また、元騎手で3月に調教師を引退した音無秀孝氏(71)が顕彰者に選定されたことを合わせて発表した。

 イクイノックスが新たな勲章を手にした。20年の父キタサンブラックとともに、史上8組目となる父子殿堂入り。報道関係者の投票制度が導入された00年以降、選定初年度での殿堂入りはディープインパクト、ウオッカ、オルフェーヴル、ジェンティルドンナに続き5頭目。近年ではアーモンドアイ、コントレイルがともに2年目での選出で、父キタサンブラックも選定初年度は選ばれなかった。

 現役時代に管理した木村師は「多くの方々の支持をいただき顕彰馬選定していただきましたこと、厩舎関係者を代表して御礼申し上げます。イクイノックスが引退レースとなったジャパンCを制覇したことが、まだ記憶に新しいこのタイミングで選定いただきましたことは、彼が日本の競馬史に確かな足跡を残すことができた証でもあると思っております」と喜んだ。

 23年ジャパンCでG1・6連勝。同年に日本調教馬の歴代最高値となるレーティング135ポンド(対象レース=ジャパンC)で世界ランク1位に輝いた。馬主のシルクレーシング米本昌史代表は「2年あまりの競走生活ではありましたが、その圧倒的なパフォーマンスで数々の記録を打ち立てるだけでなく、23年のロンジン・ワールドベストレースホースにも選ばれ、日本競馬が世界に誇れるレベルに達していることを、自らの走りで証明してくれました。2年後には父イクイノックスという本馬の産駒が競馬場のターフにデビューすることと思いますので、引き続きご声援いただければ幸いです」と次世代に思いをはせた。

 引退後は社台スタリオンステーション(北海道安平町)で種牡馬入り。初年度となる24年は203頭に種付け、27年以降にデビューを迎える。指揮官は「イクイノックスを管理させていただく中で得られた経験を、その子供たちをはじめとする次世代の若駒たちに注ぎ、多くのファンの皆さまに、なお一層喜んでいただくべく尽力してまいる所存です」と結んだ。“天才”の血を継ぐ産駒のデビューが待ち遠しい。

 ◆イクイノックス 父キタサンブラック 母シャトーブランシュ(母の父キングヘイロー)19年3月23日生まれ 現役時代は美浦・木村厩舎所属 牡6歳 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦8勝 重賞7勝(海外1勝含む) 総獲得賞金22億1544万6100円 馬名の由来は昼と夜の長さがほぼ等しくなる時。

 ▽顕彰馬制度とは 中央競馬の発展に多大な貢献があった馬の功績を称えて表彰する制度。「競馬の殿堂」とも呼ばれる。グレード制導入の84年に日本中央競馬会30周年記念事業として制度が発足。99年までは顕彰馬選考委員会の審議で、00年以降は報道関係者の投票で全体の4分の3以上の得票で選定されている。選定対象馬は04年4月1日~24年3月31日に競走馬登録を抹消した馬で、現役馬と抹消1年未満の馬は対象外。過去に37頭が選出。顕彰馬のブロンズ像が東京競馬場内の競馬博物館に展示される。

特集

2025年6月17日のニュース