再開した盛岡芝レース存続かけ大切な一年
2025年7月11日 05:00 【地方からの風】盛岡競馬場といえば地方競馬で唯一、芝のレースを実施する競馬場として有名だ。6日から始まった盛岡開催で約1年ぶり(昨年7月21日の重賞・いしがきマイラーズ以来)に、芝3レース(初日=2歳新馬、重賞サファイア賞、3日目=中央交流アメジスト賞)が行われ無事に終了した。だが3年前こそ盛岡JBC開催当日(22年11月3日)までやり切った芝競走も、過去2年は途中で打ち切っている。一昨年は秋に走路状態が悪化し10月半ばに残りの芝重賞2レースをダートに変更。昨年は7月末、大雨により芝の馬場回復が見込めないと判断し、芝重賞のダート変更を発表した。
岩手県競馬組合は過去2年の経験を踏まえ、組合で行っていた芝の管理をプロに依頼。落馬が発生していた3、4角を重点的にメンテナンスし、先月19日には芝の試走も行い万全の馬場状態でレースを迎えた。芝3レースに騎乗した山本聡哉は「緩さがなくなったし、根の張りの甘さから馬場が掘られる要因だったが、こんなに変わるかなというぐらい変わっている。火曜に騎乗した丹内さんも全然違うと言ってくれた。これなら大丈夫だよ」と芝コースへの安心感を語っていた。
今年は順調なら11月最初の開催まで30レースほど行う予定だが、60レース以上実施していた10年以上前と比べるとレース数は半減。さらに過去2年のダート変更により、芝を求めた岩手転入馬も少なくなっているようだ。ある関係者からは「芝がダートになっても売り上げは変わらないのでは」という声も聞く。今年の結果次第で盛岡芝レースが今後どうなるのか、大切な一年になりそうだ。