【関屋記念】またキング姐さん!カナテープ重賞初V 圧巻コースレコード1分31秒0
2025年7月28日 05:30 サマーマイルシリーズ第2戦「第60回関屋記念」が27日、新潟競馬場で行われた。1番人気カナテープが差し切って重賞初勝利。鞍上のレイチェル・キング(34=英国)は前週の函館2歳S(エイシンディード)に続き、2週連続の重賞勝ち。管理する堀宣行師(57)は史上7人目となるJRA全10場重賞制覇を達成した。勝ちタイム1分31秒0は12年当レースでドナウブルーがマークしたタイムを0秒5更新するコースレコードとなった。中京競馬場で行われた「第42回東海S」は武豊(56)騎乗の4番人気ヤマニンウルスが昨年7月プロキオンS以来、1年ぶりの復活V。重賞2勝目を飾った。
越後路でもキング姐(ねえ)さんは止まらない。関屋記念は今年から開幕週に前倒しされ、別定戦からハンデ戦に変更された。様変わりした名物マイル重賞でキングがカナテープを初タイトルへ導いた。「また重賞を勝つことができてうれしい」。今夏の来日後、2週連続で重賞V。検量室前に引き揚げてきた鞍上の表情も自然とほころんだ。
2走前初音S(1着)以来、2戦ぶり2度目のコンビとなった。「素晴らしい瞬発力を持っていることを知っていたので、それを信じた」と相棒の強みをつかんでいた。五分のスタートから、道中は後方で待機。脚をためて、直線は外へ。残り400メートル過ぎからエンジン点火。外からメンバー最速となる上がり3F32秒5の脚で鋭伸。ゴール前、馬群を割って伸びたオフトレイル、ボンドガールを首差ねじ伏せた。「ペースは速く感じたがリズムが良くて、道中の手応えも良かった。折り合いも良くて馬がリラックスしていた。やはり最後で良い脚を見せてくれた」と相棒を称えた。管理する堀師に史上7人目のJRA全10場重賞制覇をプレゼントした。
重賞初挑戦だった前走府中牝馬S(2着)から1カ月。キングは「(距離短縮に)フレキシブルに競馬ができた。ペースを合わせて結果を出すことができたし、タフな勝ち方だった。前走で重賞を初めて経験して2着。今回は勝つことができた。少しずつクラスアップしても、馬がチャレンジして結果で応えてくれている。一生懸命走る馬だし、能力もある」。並み居る重賞常連馬を倒し、確かな成長を実感。「次も楽しみです」。その言葉通り、大舞台へ向けて期待は膨らむ。
鞍上は今週、札幌のクイーンSでレーゼドラマに騎乗予定。3週連続重賞Vがあるのか。真夏の“キング旋風”は、まだまだ終わらない。
◆カナテープ 父ロードカナロア 母ティッカーテープ(母の父ロイヤルアプローズ)19年2月21日生まれ 牝6歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・C・フィプケ氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績17戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4291万2000円 馬名の由来は父名より+母名の一部。