【東海S】ヤマニンウルス復活!1年ぶり重賞2勝目 武豊「ようやく戻った」

2025年7月28日 05:25

東海Sを制したヤマニンウルスと武豊(撮影・中辻 颯太) 

 強いヤマニンウルスが戻ってきた。うなる手応えで直線、先頭に立つと武豊の右ステッキに応えて突き抜ける。後方の馬群から抜け出したインユアパレスに3馬身半差の完勝だった。検量室前に引き揚げてきた鞍上はほおを緩めて「久しぶりにこの馬のパフォーマンスができて凄くうれしい。改めてこの馬走るなって感じました」と絶賛した。

 デビュー5連勝で昨年プロキオンSを制覇。重賞ウイナーの仲間入りを果たすも、その後にまさかの4連敗。前走アンタレスSは馬群に沈んで7着だった。精神面を考慮し、前走後は間隔を空けてリフレッシュ。再起を誓った一戦で、完全復活をアピールした。

 初ブリンカー装着の効果があり、行きっぷり良く2番手へ。「ポジションがどうなるか分からなかったけど、もまれない理想的な位置を取れました」とスムーズに立ち回れた。逃げたリジルを直線で捉え、そこから先は独壇場。「いい時のこの馬の感じ。自信を持って先頭に立ちました。(連勝時に)ようやく戻ったかなと思います」と約1年ぶりの勝利をかみしめた。

 斉藤崇師も「ずっと負けていたので、このまま終わったらどうしようと。強い勝ち方ができたので、これで自信を取り戻してくれたら」と安堵(あんど)の表情。厩舎は23年ドンフランキー、24年ヤマニンウルスで前身のプロキオンSを制し、変則3連覇。ヤマニンウルス自身は小倉(1700メートル)開催だった昨年から中京に舞台を移して連覇達成だ。気持ちを切らさず走れるようワンターンの7F戦を選択し、追い切りでブリンカー効果を試した上で実戦でも装着。あらゆる手を尽くした。「リフレッシュして気持ちの面で戻っていたし、距離も良かったです。ブリンカーを着けて返し馬から気が入っていました」と胸を張った。

 6日の北九州記念で1歳下の半弟ヤマニンアルリフラが重賞初V。血統的な勢いについても「みんな走りますね。たまたまかもしれないけど(ヤマニンウルスも)暑い時季に勝っているので」と目を細めた。

 今後については「間隔を詰めて、しんどくならないように様子を見ながら」と未定ながら、賞金を加算したことでレース選択の幅が広がった。デビュー当初から怪物と騒がれた5歳馬がダート界を再び盛り上げていく。

 ◆ヤマニンウルス 父ジャスタウェイ 母ヤマニンパピオネ(母の父スウェプトオーヴァーボード)20年5月21日生まれ 牡5歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・土井肇氏 生産者・北海道新冠町の錦岡牧場 戦績10戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金1億2807万2000円 馬名の由来は冠名+フランス語で熊。

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