【クイーンS】1番人気アルジーヌ堂々V 母子同一JRA重賞制覇 川田は久々コンビで成長実感

2025年8月4日 05:29

<札幌11R・クイーンS>激戦を制したアルジーヌ

 計算し尽くされた直線の攻防。残り200メートル付近、アルジーヌの背で川田のアクションが大きくなる。先行勢をゴール前でかわすのではなく、一気に後続を突き放しにかかる。「(抜け出すと)やめる癖があるので、それも込みでセーフティーリードを取った」と川田。スピードが緩んだところを内2頭が強襲するも、名手がつくったリードは頭差だけ残った。

 3勝クラスを勝った直後に挑んだ昨年(3着)とは違う立場。戦前に松岡助手は「チャレンジャーから追われる立場になって難しい競馬になるはず」と話していたが、この日は1番人気に恥じない立ち回りだ。3~4角は地力で大外を駆け上がり、抜け出す時の迫力は一流馬のそれ。川田は「とてもスムーズで1コーナーもいい形になった。気持ち良く競馬をするだけでした」と振り返った。

 昨年末のターコイズSで重賞初制覇。今春も阪神牝馬S2着、ヴィクトリアMで勝ち馬アスコリピチェーノからタイム差なしの4着と一気に本格化した。同助手は「難しいメンバーたちと戦ってきた成果が表れた」と回顧。23年11月(2勝クラス4着)以来のコンビとなった川田は「久しぶりに乗りましたが、全く別馬のようになっていました。だからこそ重賞を勝ち切ることができました」と成長ぶりを認めた。

 キャリア14戦7勝の才能は、14年に本レースを制した母キャトルフィーユから受け継いだ。着実にステップアップし、ついに重賞2勝目で母子同一JRA重賞制覇はスプリンターズSのビリーヴ(02年)&ジャンダルム(22年)以来、13組目(84年グレード制導入後)の記録。松岡助手は「何とか秋に向けて選択肢を広げることができました」と賞金加算を喜ぶ。名門・中内田厩舎に所属する素質馬が、いよいよ秋の大舞台を視界に入れた。

 ◆アルジーヌ 父ロードカナロア 母キャトルフィーユ(母の父ディープインパクト)20年4月25日生まれ 牝5歳 栗東・中内田厩舎所属 馬主・ロードホースクラブ 生産者・北海道新ひだか町のケイアイファーム 戦績14戦7勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億2366万6000円 馬名の由来はトランプのクラブのクイーンに描かれた絵柄の人物名。

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