57歳武豊 デビューから40年連続JRA重賞V! アドマイヤテラで阪神大賞典9勝目

2026年3月23日 05:30

<阪神11R・阪神大賞典>アドマイヤテラでレースを制した武豊騎手(撮影・中辻 颯太)

 22日、G2阪神大賞典が阪神競馬場で行われ、1番人気アドマイヤテラが2着に3馬身差の圧勝。従来のコースレコードを0秒4更新する3分2秒0で駆け抜け、優先出走権を獲得した天皇賞・春(5月3日、京都)に弾みをつけた。鞍上の武豊(57)は今年初の重賞Vで阪神大賞典9勝目。自身の京都大賞典(9勝)と並ぶ同一重賞最多勝タイを記録すると同時に、ルーキーイヤーの87年から続くJRA重賞勝利を40年連続に更新した。

 レジェンドがまた一つ大きな金字塔を打ち立てた。1番人気に支持されたアドマイヤテラの鞍上で武豊は、長丁場の3000メートルを完璧にエスコート。道中はハナを切ったサンライズソレイユの後ろ6番手を追走。最内枠を味方に内ラチ沿いをキープし、4コーナーを3番手で迎えると直線で一気に突き抜けた。87年10月11日の重賞初勝利から1万4042日、前人未到の40年連続JRA重賞勝利達成の瞬間だった。

 「1番枠だったのでスタートを決めて道中は周囲を見ながら。他の馬がどう動くかだけを見ていた。2着馬が目の前にいて、いいポジション」と回顧。この日の走破タイム3分2秒0は01年ナリタトップロードの記録を0秒5上回る阪神大賞典のレコードで、22年菊花賞(アスクビクターモア)のコースレコードも0秒4塗り替えた。自身は、阪神大賞典の最多を更新する9勝目で、京都大賞典の勝利数にも並んだ。

 勝利後すぐのTVインタビューでは“記録ずくめ”と振られるや「ん…、何の記録?40年?あー、はい」とおちゃめに応じた。ちょうど1週間前の3月15日に誕生日を迎えたばかりの57歳。囲み取材では「人が乗ってもレコードやった」と意味深な笑顔で取材陣を笑わせた。アドマイヤテラは昨秋のジャパンCで発馬直後に落馬するもカラ馬のまま奮闘、世界レコードの決着に先頭でゴールしたことを持ち出してのコメントも秀逸だった。

 「体も大きくなって以前よりパワーアップしている感じ。次(天皇賞・春)が大一番。そこに向けて、いいステップを踏めた」
 昨年、39年連続重賞勝利も飾ってくれた相棒。ゴール前、武豊を背にした灰色の強い芦毛の馬体に、91&92年の阪神大賞典を連覇したメジロマックイーンの姿を幻視した競馬ファンは少なくないはず。メジロマックイーンはこのレースをステップに天皇賞・春も連覇した。芦毛伝説を継承できる器――。武豊はそんな手応えを深めているのかもしれない。

 ◇武 豊(たけ・ゆたか)1969年(昭44)3月15日生まれ、京都市出身の57歳。87年騎手デビュー。69勝で当時の新人最多勝記録を樹立。88年菊花賞(スーパークリーク)でG1初制覇。169週連続勝利、日本ダービー6勝など数々の記録を打ち立てた。昨年8月9日にJRA通算4600勝を達成。JRA通算2万5616戦4643勝、うちG184勝を含む重賞367勝。1メートル70、51キロ。血液型O。

 ◆アドマイヤテラ 父レイデオロ 母アドマイヤミヤビ(母の父ハーツクライ)21年2月7日生まれ 牡5歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・近藤旬子氏 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦6勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億6280万3000円 馬名の意味は冠名+地球(ラテン語)。

 ≪友道師感嘆「お手本のよう」≫友道師が武豊と重賞勝利の握手を交わすのは昨年6月の目黒記念以来で、当時もアドマイヤテラだった。年度代表馬ドウデュースからの連鎖とも言えるコンビに指揮官は「道中は内々をピッタリで長距離のお手本のようなレース」とし、「(阪神大賞典通算)9勝か。凄いよね」と感嘆の声。友道師は当レース4勝目で単独最多となり、大一番の天皇賞・春を見据えて「馬体重がプラス6キロ。本番に向けてちょうどいい」と柔和な笑みを浮かべた。

 近藤旬子オーナーは「(所有馬は)今年、初勝利です」と照れ気味に漏らすや、武豊は「マジ?僕は今年の重賞初勝利」と遅まきながらの“初V”をキーワードに喜びを共有していた。

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