雨に泣き雨で笑った武豊

2026年6月19日 05:27

16年の英G1プリンスオブウェールズSで最下位に終わったエイシンヒカリと武豊(撮影・平松さとし)

 【競馬人生劇場・平松さとし】先週14日に行われた宝塚記念(G1)を制したのは、メイショウタバル(栗東・石橋守厩舎)だった。鞍上はご存じ、レジェンド・武豊騎手である。

 「できれば馬場が渋ってほしい」

 そんな武豊騎手の願いに応えるかのように、レース直前に降り始めた雨は一気に土砂降りとなり、馬場を濡らした。もちろん、それだけが勝因ではないだろう。しかし結果を見れば、この雨がマイナスに働かなかったことは間違いない。

 今回は好結果をもたらしたと思われる馬場状態だが、天候は人知の及ばないもの。時には武豊騎手を悩ませることもあった。
 現在、英国王室主催のロイヤルアスコット開催が行われている英国でも、過去に同様の出来事があった。

 19年、同開催のメインレースであるプリンスオブウェールズS(G1)に挑戦したのがディアドラだ。陣営は「状態は良い」と自信を見せ、日本馬が得意とする中距離戦であることに加え、舞台となるアスコット競馬場での騎乗経験が豊富な武豊騎手が手綱を取ることもあり、大きな期待が寄せられていた。

 ところが、レース直前に雨が降り始める。それは今回の宝塚記念以上と言っても過言ではないほどの豪雨となった。結果、ずぶ濡れとなったディアドラは6着に敗れた。

 また、16年にエイシンヒカリが同レースへ出走した際も、直前数日間は雨続きだった。レース中こそやんだものの、当日は降ったりやんだりを繰り返した。結果、エイシンヒカリは最下位の6着。勝ったマイドリームボートは、前走のイスパーン賞(G1)でエイシンヒカリが退けていた相手だけに、馬場状態の影響は少なからずあったのだろう。

 それでも武豊騎手は、こう語った。

 「雨の多い英国です。こうなる可能性が高いことも分かった上で遠征しているのですから、それを言い訳にはできません」

 ちなみに、この遠征を終えてロンドンから羽田へ戻った武豊騎手を待っていたのも、やはり雨だった。 (フリーライター)

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