【福島新馬戦】エスクアドラ古馬級の貫禄 追い切りで年長馬圧倒 鹿戸師「胸を貸しちゃったよ」
2026年6月30日 05:30 注目2歳馬を紹介する「Road to 2027」は今週デビュー予定の良血3頭をピックアップする。美浦では日曜福島5R(芝2000メートル)に出走するエスクアドラ(牡=鹿戸)が年長馬を相手に圧巻の動きを披露。指揮官も舌を巻く走りで初陣Vを狙う。
梅花は莟(つぼ)めるに香(か)ありという。梅の花がつぼみのうちから芳香を放つように、優れた人は若いうちから特別な素質を示すとの意味。「いや、驚いた。年長馬の胸を借りるつもりが、反対に胸を貸しちゃったよ」。鹿戸師が馬場から引き揚げてきたエスクアドラに頼もしげな視線を送っている。美浦Wコースで行われた17日の2週前追い切り。エスクアドラは厩舎期待の3歳牝馬ラベルセーヌ(2勝クラス)の2馬身後方から造作もなく馬体を並べた。前進気勢をみなぎらせる500キロ超の雄大な馬体。風雪にも耐えるしだれ梅の枝のようなしなやかなフットワーク。24日の1週前追い切りでは古馬のバタール(4歳2勝クラス)と併せたが、最後まで寄せ付けなかった。
ファミリーテーブルには重賞ウイナーの名が並ぶ。母ジューヌエコールは16年デイリー杯2歳S、17年函館スプリントSを優勝。いとこのソングラインは22、23年の安田記念を制した。09年ダービー馬ロジユニヴァースも同族。だが、鹿戸師は師と仰ぐ藤沢和雄元調教師が育てた父レイデオロの影響を指摘する。「古馬になるまで行きたがるのを我慢させてきたトロヴァトーレ(レイデオロ初年度産駒)みたいな馬です。この2歳馬もとても前向きな気性で一生懸命走る」。2歳時に新馬戦、葉牡丹賞を連勝。5歳になった今年は東京新聞杯、エプソムCを連勝した厩舎の重賞ホースを引き合いに出した。
父レイデオロは多様性を備えた種牡馬。阪神大賞典を制したサンライズアースやアドマイヤテラのようなステイヤーも出せば、トロヴァトーレや中山金杯勝ちカラマティアノスのようなマイル~中距離型も送り出す。自身がダービー優勝後も進化を続け、4歳で天皇賞・秋を制したように成長力もある血統だ。
梅の花は早咲きの代名詞だが、香露梅や呉服枝垂(くれはしだれ)のように遅咲きの品種もある。つぼみのうちから香り立つエスクアドラの才能が開くのは来春か。だが、今夏の福島デビュー組の中でも際立つ逸材である。
