【北九州記念】フリッカージャブ待望重賞初V! 西園師も4年目の初タイトルに笑顔「調教を見ても規格外」
2026年7月6日 05:30 新星誕生だ。サマースプリントシリーズ第2戦「第61回北九州記念」は5日、小倉競馬場で行われ、前々で立ち回った1番人気フリッカージャブがハンデ57・5キロをはね返して首差で押し切りV。今春のオーシャンS6着に続く2度目の重賞チャレンジで勝ち切り、開業4年目の西園翔太師(36)にとっても重賞初制覇となった。師と誕生日が7日違いで同い年の松山弘平(36)は24年ピューロマジック以来当レース2勝目。賞金加算に成功し、今後に向けて視界が開けた。
堂々たる横綱相撲。1番人気フリッカージャブが重賞の壁を突き破った。4角手前で先頭に立ち、直線で手応え十分に追い出すと押し切り態勢。必死に食らいつくジェニファーを首差で振り切ってゴールへ。コンビ結成後、6戦5勝となった松山は「強かったです」と相棒を手放しで称えた。
進路取りに迷いはなかった。12番枠から抜群のスタートを決めるも内枠勢が主張し、好位の外めから。「この土日で雨が降ったので外枠で良かったなと。向正面で馬場がいいところを通れました」と振り返るようにプラン通りの運び。重馬場の芝で前半3F33秒1と締まった流れでも無理に追走したわけではなく十分に脚を残し、直線のもうひと伸びにつなげた。「スピードを生かしながらリズムを崩さないように。能力が高く凄い馬。着差以上の内容だったと思います」とハンデ57・5キロを背負う中での勝利に胸を張った。
1年前に快進撃が始まった。昨夏の小倉開催2週目に1勝クラスを勝ってから破竹の3連勝。舞台適性の高さもあり、西園師は1年後のこの一戦を意識していた。重賞初挑戦となった2走前のオーシャンSは6着。それでも悲観することなく「G1馬がいてメンバーがかなり強い中、外枠から勝ちにいく競馬ができたので」と振り返り、敗戦を糧にしながら成長を促した。
平成生まれの指揮官にとって開業4年目での初タイトル。「重賞だからじゃなく、未勝利でも全てのレースを勝つために一生懸命頑張っていますので」と引き締めつつも「とはいっても、うれしいのはうれしいです」と頬を緩ませた。
今後は当然、G1が視野に入る。スプリンターズS(9月27日、中山)については「行ければ行きたい」と目標に掲げ、サマースプリントシリーズ優勝を狙う選択肢もあり、レース後の様子を見極めて判断する。「使うならセントウルS(9月6日、阪神)になるんですかね」と次走候補を挙げた。4歳夏を迎え、どこまで伸びていくのか。「調教の動きを見ても規格外なんです。それはずっと思っています」と可能性は底知れない。素質開花の手応えを感じながら、大舞台へと導いていく。
◆フリッカージャブ 父サートゥルナーリア 母ナイキトリック(母の父サクラバクシンオー)22年5月7日生まれ 牡4歳 栗東・西園厩舎所属 馬主・ウエスト・フォレスト・ステイブル 生産者・北海道日高町の宝寄山拓樹氏 戦績11戦6勝(重賞初勝利)総獲得賞金1億1668万2000円 馬名の由来はボクシングのパンチの一種。
◇西園 翔太(にしぞの・しょうた)1990年(平2)3月8日生まれ、滋賀県出身の36歳。14年1月にJRA競馬学校厩務員課程に入学し、同年7月から父・正都師(今春に定年引退)の厩舎(栗東)で調教助手を務める。21年に4度目の受験で調教師試験に合格し、美浦の上原佑師とともにJRA初の平成生まれの調教師となった。23年3月に厩舎を開業、同25日に中京2R(スマートアンバー)で初勝利。JRA通算836戦71勝、うち重賞1勝。助手時代の思い出の馬は18年エプソムC2着ハクサンルドルフ。
≪西園師父・正都氏も現地応援「息子が勝てて良かった」≫元調教師で今春に定年引退を迎えた西園正都氏(70)が長男・翔太師を応援するため小倉に駆けつけた。騎手時代を含めて当レースを勝ったことはなく「息子が勝てて良かった。引退してから競馬場に来たのは初めて。やっぱりいいなと思います」としみじみ。「ハクサンムーンが獲れなかったスプリンターズSや高松宮記念にも出るでしょうし、頑張ってほしい」とかつて自身が管理した重賞3勝のスプリンターを引き合いに出し、エールを送った。


