米ダート界の巨星ナイソスが電撃引退…種牡馬入り「健康を最優先に」サウジCでフォーエバーヤングの2着
2026年8月4日 05:30 世界的な規模で競走馬事業を展開するクールモアスタッドの米国の拠点であるクールモア・アメリカは3日、米ダート界を席巻したナイソス(牡5=B・バファート、父ナイキスト)が引退し、クールモアのアシュフォードスタッド(ケンタッキー州)で種牡馬入りすると公式サイトで発表した。
今回の引退劇は馬体が健常な状態での決断という点で異例とも言える。発表によると定期的な検査の一環で行われた画像診断において、わずかな変化が確認されたという。
管理するボブ・バファート師(73)は「ナイソスがケガをしているわけではない」と強調した上で「この微細な変化を抱えたままではブリーダーズCに向けて我々が納得できる完璧な調整を施す時間が足りない。馬の長期的な健康と安全を最優先に考え、頂点にいる状態で引退させるのが正しい道だ」と説明した。
日本のファンにとっても、今年のサウジC(2着)におけるフォーエバーヤングとの死闘は記憶に新しい。世界最高賞金レースで見せた走りは精神力の強さを世界にアピールした。
血統面でも超一流だ。父は新進気鋭の種牡馬チャンピオン、ナイキスト。母は200万ドル(約3億円)で取引された名牝ゼッタズィーという現代のスピード競馬を象徴する配合だ。
アシュフォード・スタッドのチャーリー・オコナー氏は「彼は圧倒的なスピード、完璧な馬体、そして一流の血統を兼ね備えている。当スタッドにとって計り知れない価値を持つ補強だ」と期待を寄せる。
また、共同所有者のスーザン・チュー氏は「ナイソスは私たちにとって人生の節目を象徴する馬。最高のステークス勝ち馬たちを彼に配合し、全力でサポートする」と種牡馬としての成功に向けて全面バックアップを約束した。
23年10月21日にデビューし、通算10戦8勝、うちG1は昨年BCダートマイル、ラストランになった6月6日のメトロポリタンハンデキャップの2勝。次走に予定していたパシフィッククラシック(G1、8月22日、デルマー、ダート2000メートル)でも有力候補に挙げられ、惜しまれつつ競馬場を去るナイソス。自身の能力が次世代にどのように受け継がれるのか。種付け料は後日発表される予定だが米国の生産界において最も注目される新種牡馬の一頭になることは間違いない。
