泉谷楓真が再び欧州へ A・オブライエン師のイズム吸収「騎手としても今後に生きる」

2026年9月9日 05:20

再び海外研修で経験を積む泉谷楓真騎手

 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の新谷尚太(49)が6月に約2週間のアイルランド&英国研修に参加した泉谷楓真(24)を取り上げる。欧州の空気を肌で感じ、意識が変わった。縁あって19日に再びアイルランドへ。名門エイダン・オブライエン厩舎で経験を積む。

 全てが新鮮で刺激になった。泉谷は日本調教師会が主催する厩舎関係者海外派遣研修に参加し、アイルランド、英国へ。今年は東西の厩舎スタッフが4人ずつ、ジョッキーでは唯一の参加者となった。「レースに騎乗することはないけど現地の厩舎では馬に乗せていただく機会もあり、一日を通して作業の流れを経験し、食事会などに参加しました」と振り返る。

 泉谷自身、これまで海外への憧れは薄かったという。それでも騎手としてキャリアを重ねるうちに一度、違った環境に身を置いてみようと参加を決めた。「実際に行ってみて、いろいろな馬に騎乗し、日本と海外の馬のつくり方の違いを感じる日々でした。日本の馬はいい意味で前進気勢が強いけど海外の馬は常に団体で行動しているので乗り手の指示に従順。人間が100%コントロールしようとすることがなく、馬に余裕があるように感じました。穏やかな馬が多かったですね。海外のいいところを吸収することができたし、参加して良かったと感じています」と収穫を口にする。

 アイルランドではエイダン・オブライエン厩舎の調教場であるバリードイルを訪れた。ジャイアンツコーズウェイ、ガリレオなど、これまで数え切れないほど多くの名馬を育て、今年もG1を勝ちまくっているトップトレーナーだ。施設、調教を見学すると同時に新たなつながりができた。「エイダン師の厩舎で働いている日本人スタッフの方に仲介していただき、改めて研修させていただくことになりました」。19日にアイルランドに向けて再び出国し、凱旋門賞当日の10月4日までの予定。「来年、行けるとは限らないし(欧州が)オフシーズンになる前に行くことを決めました。ワクワクしています」と声を弾ませた。

 自身が所属している杉山晴厩舎は23&25年とJRAリーディングに輝き、今年も首位を快走している。20年にデアリングタクトで牝馬3冠制覇、今年はロブチェンが皐月賞、ダービーの春2冠を制した。「杉山先生は芝、ダートや短距離から長距離まで、いろいろなカテゴリーで活躍馬を出されて、凄いことだと思います。厩舎に所属してからG1馬の背中を肌で感じることができて、騎手としての経験値が増えました」と、いちホースマンとして幅が広がったことを実感している。杉山晴師は今年、ドバイでガイアフォース、ルガル、香港でジョバンニ、英国でルガルを出走させるなど海外遠征に積極的なトレーナーでもある。自身も海を渡り、この経験はきっと先々につながる。「僕は馬に乗ることが大好き。欧州を中心にビッグレースを数多く勝っているエイダン師の下で馬づくりに携わる機会を頂き、ジョッキーとしても今後に生きるのでは…と考えています」と目を輝かせた。短期間ではあるが環境を変え、チャレンジする泉谷を応援したい。(新谷 尚太)

 ◆泉谷 楓真(いずみや・ふうま)2001年(平13)12月18日生まれ、山口県出身の24歳。20年3月1日に栗東・本田優厩舎所属でデビューし、初騎乗の阪神1R(メイショウヒバリ)で同着V。24年11月1日にフリーに転向し、25年9月21日から杉山晴紀厩舎に所属。JRA通算2166戦103勝、うち重賞は21年函館2歳S(ナムラリコリス)の1勝。1メートル67、47・1キロ。血液型B。

 ◇新谷 尚太(しんたに・しょうた)1977年(昭52)4月26日生まれ、大阪府出身の49歳。18年5月から園田競馬を担当、同年10月に中央競馬担当にコンバート。前職は専門紙「競馬ニホン」の時計班。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」のパドック解説を担当。

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