【凱旋門賞】ダリズ連覇!来春、種牡馬入りへ「将来のために牧場に帰す方がいいのでは」オーナーサイド

2026年10月5日 17:55

凱旋門賞連覇を成し遂げたダリズ(右)(C)Scoopdyga/France Galop

 4日、フランス競馬の祭典「第105回凱旋門賞」(G1、パリロンシャン芝2400メートル)で歴史に残る瞬間が訪れた。地元馬ダリズ(牡4=F・グラファール、父シーザスターズ)がミカエル・バルザローナ(35)を背に会心の差し切りV!1921&22年クサール、36&37年コリーダ、50&51年タンティエーム、55&56年リボー、77&78年アレッジド、2013&14年トレヴ、17&18年エネイブル以来、史上8頭目の連覇で牡馬に限定すればアレッジド以来、48年ぶりの偉業だ。ターフに刻まれたその輝かしい軌跡は永遠に語り継がれるだろう。そして、その並外れた競走生活に終止符を打つかのように、来年からの種牡馬入りが濃厚となり、新たなステージへの一歩を踏み出す。

 雨上がりのパリロンシャンに集まった大観衆の視線が集中する中、ダリズは後方待機から最後の直線へ。前を行く馬群が壁となるも、バルザローナは冷静に外へ持ち出す。その瞬間、まるで弾丸のように一頭だけ次元の違う末脚を炸裂させた。ライバルたちをごぼう抜き。英国から参戦したベイシティローラーを捉え、1馬身1/4差でゴールを駆け抜けた瞬間、場内は大歓声に包まれた。

 勝利の瞬間、フランシス・アンリ・グラファール師(49)は「去年もこのレースの素晴らしさを実感したが、今年はプレッシャーがありました。最高の状態であることは分かっていても、レースには不確実性が付き物ですから」と連覇への重圧を吐露。それでも「私の馬が有利な位置に付け、直線で加速するのを見た時、ますます自信を持つようになりました。彼はただ、偉大なチャンピオンです。世界中のファンがこの瞬間を堪能してくれたことを願います」と自らが手がける名馬を誇らしげに称えた。

 連覇達成はオーナーであるアガ・カーン・スタッズにとっても格別な瞬間だった。ザラ・アガ・カーン王女は昨年2月4日に死去した父アガ・カーン4世に触れつつ「凱旋門賞の日はいつも非常に感情的になります。去年は父を亡くし、大変でした。彼は去年の私たちの勝利をきっと誇りに思ってくれたでしょう。そして今年も、きっと誇りに思ってくれたと思います」と感無量の面持ち。また、レース中の心境を「丘の頂上(スタート後、約1000メートルの地点)では少し心配になったと言わざるを得ません。しかし、ミカエル(バルザローナ)の乗り方には慣れていますし、彼が自分の馬を手の内に入れていることを私は知っています。彼を信頼しています」と5番枠から内で包まれるリスクを避け、勝負どころでスムーズに外に誘導した鞍上を称えた。

 レース後、ダリズの次のステージが明確に示された。「ブリーダーとしては彼を来年、レースに送り出すよりも、種牡馬としての将来のキャリアのために牧場に帰す方がいいのでは、と考えています」と王女は明言。アガ・カーン・スタッズのレーシングマネジャーを務めるネモネ・ルース氏も「レース前から王女は彼を来年、種牡馬入りさせることに非常に前向きでした。もちろん、レース翌週に全員で改めて話し合う必要がありますが、私たちはブリーダーであり、目標は種牡馬として引退させることです。ダリズが今年4歳になってもう一年、走らせることは私たちにとってチャレンジ挑戦でしたが、うまくいったと思います」と、やり切った表情を浮かべた。4歳で競走生活にピリオドを打つことはこの馬自身の能力を最大限に評価し、その貴重な血を未来へつなぐための、熟慮された選択であることがうかがえる。

 アガ・カーン・スタッズは凱旋門賞9度目V。自らが持つ最多勝記録をさらに更新し、歴史に名を刻み続けている。そこに名を連ねるダリズがターフを離れ、未来のスター候補生を生み出す大役を担う。

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