ダークネスフォールズが愛英2歳G1連勝!エイダン・オブライエン師「3冠は夢」57年ぶり偉業へ第一歩

2026年10月11日 16:20

デューハースートSを制したダークネスフォールズ(右)と鞍上ムーア(C)Megan Ridgwell/The Jockey Club

 ニューマーケットを舞台に2日間に重賞9競走が組まれ、英国競馬界が熱狂に包まれたフューチャーチャンピオンズフェスティバル。開催2日目の10日、2歳戦の最高峰とされるデューハーストS(G1、芝直線1400メートル)で新たな歴史の扉が開かれた。

 エイダン・オブライエン師(56)が送り出したダークネスフォールズ(牡2、父キャメロット)がライアン・ムーア(43)の巧みな手綱さばきに導かれて勝利。師は同レース歴代単独最多の9勝目を挙げ、この逸材の将来、ひいては半世紀以上、達成されていない「英国3冠」への壮大な夢を語った。

 ダークネスフォールズの勝利は、その過程において驚きと称賛を集めている。前走は地元アイルランドのレパーズタウンでゴールデンフリースS(G1、芝1800メートル)を制し、そこから2F短縮でデューハーストS参戦という異例のローテだったからだ。レース後、オブライエン師は「ここに出走させるのは大きな決断でしたし、9Fから7Fに短縮するのは信じられないことでした」と胸中を明かし「こういった起用でG1を勝つのは難しいことだけど彼は非常に能力が高い。前走は9Fのタフなレースで最後までいい走り。明らかに彼は本物と言っていい」と絶賛した。

 2F短縮に戸惑うことなく、この日は先行策からラスト2Fで先頭に立つと、そこから全く譲らず追い比べの末、ゴドルフィンの強敵デザートキャッスルに首差で競り勝った。オブライエン師が「これだけのクラスの馬であれば本当に何でもできる」と語ったように距離への対応力と最後の粘り強さは、まさに規格外の能力を示すものだった。

 この勝利を受け、早くも英国競馬界では来年の英3冠制覇への期待が沸騰している。英2000ギニー(G1、5月1日、ニューマーケット芝1600メートル)、英ダービー(G1、6月5日、エプソムダウンズ芝2400メートル)、英セントレジャー(G1、9月10日、ドンカスター芝2900メートル)の全てを制す偉業であり、1970年のニジンスキー以来、達成されていない究極のチャレンジだ。

 オブライエン師は「3冠は夢ですから」と明確に目標を口にした。「彼の父(キャメロット)はそれに近づきましたし、信じられないような馬でした。キャメロットと非常によく似ているけど、より速い」と、かつての管理馬でもある父キャメロットが2012年に挑戦し、英セントレジャーで惜しくも2着に敗れ、3冠制覇に手が届かなかった歴史に触れながら、ダークネスフォールズへの期待を膨らませた。

さらに「非常にエキサイティングな馬で、全てが順調にいけば来年のギニーでスタートするでしょう。上品で扱いやすい馬。ライアン(ムーア)はまだ余裕があったと感じており、無理して走ってはいませんでした。この冬はゆっくりさせて、ギニーで再出発します」と、きたるべきクラシックシーズンへのプランを語った。

 ダークネスフォールズがただのマイラーではないことはオブライエン師のコメントからも明らかだ。「彼は2歳で非常にタフな9Fのレースを勝ちましたから、来年は少なくとも1マイル1/4(約2000メートル)はこなせるでしょうし、そのクラスならエプソムで1マイル半(約2400メートル)をこなす可能性も十分にあります」と適性を見込んでいる。「3冠が時代遅れになったのは、それを達成できる馬がいないからで、非常に難しいこと」と偉業の難しさを認めつつも「3冠はサラブレッドの真価を問われる究極の試練。ニューマーケットで1マイル(2000ギニー)を走り、エプソム(ダービー)では質とスタミナを試され、そしてセントレジャーでは距離をこなすことが求められます。限られた馬しか達成していませんから」と、その挑戦の尊さを熱く語った。

来春、2000ギニーのスタートラインに立つ時、ファンの視線は「バリードイルの新たな傑作」に注がれる。57年ぶりの偉業へ――。壮大な物語は始まったばかりだ。

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