【秋華賞】モンローウォーク 魅惑のボディーにくぎ付け 「本家」に負けない脚線美

2026年10月13日 05:30

モンローウォーク

 ターフに輝く大女優だ。鈴木康弘元調教師(82)がG1有力候補の馬体ベスト5をセレクトする「達眼」。「第31回秋華賞」(18日、京都)ではモンローウォーク、ドリームコア、ラベルセーヌ、エンネ、マスターソアラをピックアップした。中でも達眼をくぎ付けにしたのは無敗4連勝中のモンローウォーク。今年、生誕100年を迎えたハリウッドの大女優マリリン・モンローよろしく、ヒップを振って歩いてもブレない体幹でスターダムにのし上がるか。

 ♪つま先立てて海へ モンロー・ウォークして行く いかした娘は誰…

 79年、シンガー・ソングライターの南佳孝が軽快なラテンのリズムを取り入れてリリースした「モンロー・ウォーク」(作詞・来生えつこ、編曲・坂本龍一)。この曲名は言わずと知れたマリリン・モンローの代名詞です。ヒップを左右に振りながらステージに登場するセクシーな歩き方にはJ・F・ケネディ米大統領(当時)も思わず息をのんだそうです。

 ♪ジャマイカあたりのステップで…、と続くこのシティーポップの名曲を聴いていると、マリリン・モンローの歩く姿がまぶたに浮かびます。名は体を表すというべきか。4戦無敗で秋華賞に臨む同名の競走馬の体もモンロー・ウォークを思い出させてくれます。

 成長の余地が残る3歳牝馬とはいえ、腰高でいかにもバネがありそうな体つき。強く、柔らかく、きめ細やかな筋肉を前後肢にバランス良く付けています。トモもさることながら、首から肩先、前胸、上腕にかけての前肢の筋肉が実に力強い。トモの力を前肢でしっかり受け止められるから腰をうねらせて歩いても軸がブレない。マリリン・モンローのように大スターの座へ駆け上がれる非凡な体つきです。

 アバラがうっすらと映る絶妙な仕上がり。馬体重450キロ前後のSサイズですが、発達した前後肢と引き締まった腹周りがメリハリのあるボディーラインを描いている。マリリン・モンローは小柄でも胸とヒップがグラマラスで、腰がくびれた砂時計型の体格でしたが、この牝馬は砂時計を横にしたような体形です。

 目、耳、鼻先を前方の一点に集中した、りりしい顔つき。四肢にバランス良く体重をかけた立ち姿。精神的にも充実しているのでしょう。この顔つきと立ち姿なら距離が1F延びても問題ない。

 54年のマリリン・モンロー来日時に帝国ホテル(東京・内幸町)で開かれた記者会見。「美しさの秘密は?」と問われると、「よく眠ることよ。睡眠は最高の美容液なの」と答えたそうです。この3歳牝馬が馬房でよく眠るのかは定かでありませんが、息をのむような美しさ。青鹿毛の被毛が秋の柔らかい陽光を浴びて漆黒の光沢を放っています。「美の魅力は人為的につくり出せるものではないわ。内面から自然ににじみ出すものよ」とも語っていますが、毛ヅヤの美しい輝きも内面から自然ににじみ出たもの。新陳代謝が活発になっている証です。6月からすでに3戦していますが、体調も申し分ありません。

 ♪口説きおとしたいのに スキもないね君は…

 「モンロー・ウォーク」の歌詞のようにスキのない姿でビッグステージに上がります。 (NHK解説者)

 マリリン・モンロー(本名ノーマ・ジーン・ベイカー)戦後の米国を代表する女優。1926年6月生まれ、米ロサンゼルス出身。53年に公開されたスリラー映画「ナイアガラ」の劇中でモンロー・ウォークを披露し、ハリウッドスターの仲間入り。59年の映画「お熱いのがお好き」でゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞を受賞。62年、ロサンゼルスの自宅で謎の死をとげた。

 ◇鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の82歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長。JRA通算795勝。重賞27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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