(15)ワイルドワンダー
2008年12月5日 06:00 【東西ドキュメント 美浦4日】G1枠順が決まる木曜午後。美浦の出馬投票所はいつも以上に熱い。午後3時前、JCダートに出走させるワイルドワンダーの尾形助手が現れた。15番の報に「別にどこでもいいと思っていました。昔みたいに掛かることも今はないし…。それに行く馬も多そう。自然と流れに乗れば」と淡々とした受け答え。小田もその言葉をサラサラとノートに記していた。
その口調が一気に熱くなったのはドラゴンファイヤーの話題に移った時だ。ステイヤーズSで芝初出走。「出来はこの秋一番。“ダンパツリョク”が違う。勝てると思ってます!!」。小田は一瞬ギョッとするのと同時に、聞き慣れぬ単語を聞き直した。ダンパツリョクとは?間髪入れずに「弾発力」と返ってきた。初めての芝の上に、いきなり3600メートルの長距離戦。小田は全く眼中になかったが、急にドラゴンが気になってきた。