【阪神大賞典】トリック三千メートル追いっぱなしでも勝った!
2010年3月22日 06:00 天皇賞・春を占う「第58回阪神大賞典」は5番人気トウカイトリックが接戦を制し、古豪健在をアピールした。
3000メートルの長丁場を走り抜いた先に最高の結果が待っていた。シ烈な追い比べとなったゴール前、ばてない強みを生かしたトウカイトリックが最後にグイッとひと伸び。ロングスパートで外のジャミール、メイショウベルーガを振り切り、重賞Vのゴールへ。初コンビを組んだ藤田が陣営の期待にしっかり応えた。
「あまり気のない馬でスタートからゴールまで3000メートル追いっぱなし。出たなりで、との指示だったから、その通りに出たなりで3000メートルを楽しんでこようと思って乗った。とにかく付いて行くのが精いっぱいだったけど、よく頑張ってくれたね」
芝・長距離路線の安定勢力といえる8歳馬。このレースは5年連続5度目の参戦だった。過去4年はすべて掲示板を確保。07年ダイヤモンドS以来、2度目の重賞制覇となり、あらためてステイヤーとしての高い資質を示した。また、08年3月開業の野中師にとっては記念すべき重賞初制覇。「きょうはジョッキーがうまく乗ってくれた」と話すトレーナーの言葉にはたくさんの思いが詰まっていた。
「開業してすぐの僕に任すと言って預けてくれたオーナーにはすごくお世話になっているからね。この馬で勝てたっていうことは厩舎にとってすごく大きい」
この勝利で天皇賞・春(5月2日、京都)の主役に名乗り。「今のいい出来をキープして行ければ」と野中師が言えば、藤田は「本番も乗せてもらえるということだし、また頑張りたい」と意気込む。最高の形で頂上決戦へ。厩舎、ジョッキーが一丸となって盾獲りを狙っていく。
▼トウカイトリック 父エルコンドルパサー 母ズーナクア(母の父シルヴァーホーク)牡8歳 栗東・野中賢二厩舎所属 馬主・内村正則氏 生産者・北海道新ひだか町土田扶美子氏 戦績42戦8勝 総獲得賞金4億3540万6000円。