【ニエル賞】ヴィクトワール“手応えたっぷり”4着
2010年9月13日 06:00 凱旋門賞(10月3日、仏・ロンシャン)の前哨戦が12日(日本時間同日深夜)、パリ郊外のロンシャン競馬場で行われた。3歳限定戦「ニエル賞」(G2、芝2400メートル、総賞金13万ユーロ=約1380万円、7頭立て)に出走したヴィクトワールピサ(牡3=角居)は直線伸びを欠いて4着に敗れた。
初めての舞台に戸惑った。だが一瞬、日本のクラシックホースらしい輝きは見せた。
5番手のインを追走したヴィクトワールピサ。折り合いをつけて進んでいたが、フォルスストレート(偽の直線)の手前付近でキッドナッピングに前に入られ、リズムを崩した。前も横も囲まれてジリジリとポジションを下げ、4コーナーでは最後方。これは惨敗かと思わせたが、そこから日本の皐月賞馬の意地を見せた。馬なりで外から上昇し、直線半ばまでは先頭をうかがう勢い。残り200メートル付近から伸びを欠き、4着に敗れたが、見せ場は十分に作った。
武豊は「スタートが良かったし、折り合いもついて5番手でも思い通り、完ぺきにいけた。ゴチャつくよりは外に出したかったし、前に並びかけた時は勝つかと思った。ただ、止まってしまったのは少し太かったからかもしれない。敗因はハッキリしているし、悲観はしていない。凱旋門賞が楽しみになってきた」と叩いての次走に期待を込めた。
ニエル賞は、00年以降の勝ち馬10頭のうち4頭が次走の凱旋門賞を制した、最重要のステップレース。各前哨戦の中でもハイレベルなことで知られる。今回はダービー3着以来、約3カ月ぶりの実戦。中間に休養と輸送も挟んでおり、上積みはかなり期待できる。ヴィクトワールピサ、大逆転戴冠へ一変に期待だ。
▼角居師 次回に向けての修正点があったので凱旋門賞では長い脚を使えるように調整していきたい。
▽ニエル賞 ロンシャン芝2400メートル、3歳牡牝馬で争うG2戦。00年以降の優勝馬から4頭(00年シンダー、03年ダラカニ、05年ハリケーンラン、06年レイルリンク)が凱旋門賞も連勝しており、最も本番に直結するステップレースとして注目されている。