【毎日王冠】オグリ以来!アリゼオ22年ぶり3歳馬V
2010年10月11日 06:00 秋のG1への重要なステップとなる「第61回毎日王冠」が10日、東京競馬場で行われた。6番人気の3歳馬アリゼオが直線で同じ3歳馬のエイシンアポロンとの競り合いを制して、今春のスプリングS以来となる2度目の重賞制覇を飾った。圧倒的な人気を背負ったペルーサは出遅れが響いて5着に敗れた。
アリゼオにとって先につながる大きな1勝だった。「2番手に行けるかなと思ったが、行き脚がつかなくて両側からスーッと前に行かれた。ここで出して行ったら引っ掛かると思ったので無理しなかった」とスタート直後の鞍上・福永の好判断が新たな一面を引き出した。
断然の1番人気に支持されたペルーサが出遅れ。場内が騒然とした中でレースがスタートした。逃げるシルポートがつくり出したよどみない流れを、アリゼオは6番手の内で折り合いに専念して脚をためた。直線は3番手に付けていたエイシンアポロンが抜け出し先頭に立つ。その内をすくってアリゼオが迫る。ラスト200メートルから3歳馬2騎のデッドヒート。最後の最後にグイッと鼻差出たところがゴールだった。
レース1週前には2年ぶりに美浦トレセンを訪れ追い切りにもまたがり、万全の態勢で初コンビを組んだ福永。「3コーナー過ぎから馬が納得してくれてリズム良く走ってくれた。最後の1完歩でギリギリかわせたかなと思った」と重賞制覇に笑顔を見せた。
これまでは先行して粘り込むパターンで結果を残してきたが、控える競馬ができたことで、これから始まる古馬とのG1の戦いに大きな武器を身につけた格好だ。「こういう競馬も慣れれば、もっと切れる脚が使えそう。逃げても結果を出しているし、ペース次第じゃないかな。まだ3歳馬だし決めつけるのは早い。とにかく収穫のある内容だった」と福永は秘めたる可能性を評価した。
今後は未定だが、天皇賞・秋(10月31日、東京)かマイルCS(11月21日、京都)が秋の大目標となる公算が大きい。3歳馬の毎日王冠優勝という88年のオグリキャップ以来22年ぶりの快挙を達成したアリゼオがG1制覇へ王手をかけた。
◆アリゼオ 父シンボリクリスエス 母スクエアアウェイ(母の父フジキセキ)牡3歳 美浦・堀厩舎所属 馬主 社台レースホース 生産者 北海道白老町社台コーポレーション白老ファーム 戦績7戦4勝 総獲得賞金1億6387万9000円。