「夏は牝馬」。初心者でも知っている、競馬のあまりにも有名な格言。だが、実際は暑さに弱い牝馬もたくさんいる。だが、中京記念の◎トロワゼトワルは正真正銘、本物の夏女。全5勝のうち4勝を、日本列島の気温が最も高くなる7～9月にマーク。しかも国内有数の猛暑地帯である名古屋（中京）で2勝を挙げている。芝マイルの日本レコードを樹立した、昨年の京成杯AHは中山で取材。既に9月だったが、朝から太陽が照りつけ残暑が厳しい日だったのを覚えている。その後2戦は2桁着順を重ねスランプに陥ったが、前走のG1ヴィクトリアMは、久々にこの馬らしい軽快な逃げ。アーモンドアイ、サウンドキアラ、ノームコアに次ぐ4着に粘り込んで復調をアピールした。そして待望の季節が到来。関東地方はここ数日、半袖では肌寒い気候が続いている。少し気をもんでいたが、舞台となる阪神は晴れて、ひと足早く夏モード。きょう日曜も30度まで気温が上がる予報だ。まさに“トロワ日和”。惜しいのは今年の舞台が中京でないことか…。夏女の鮮やかな逃げ切りに期待。（4）から。