【浜田の公式“券”解】28日東京11R 府中の栄冠を奪い取る怪盗ファントムシーフ

2023年5月28日 08:00

 日本ダービー。ソールオリエンスが皐月賞で見せたパフォーマンスは凄かった。中山で4角17番手から大外一気。並みの馬にできる芸当ではない。完敗だった2着以下に逆転の望みはあるのだろうか…。

 振り返れば、今年の皐月賞は空前の大混戦と言われていた。ソールオリエンスも2番人気に支持されたとはいえ、徹底マークを受ける立場にあらず。特殊な馬場、速い流れなど、あらゆる要素がプラスに働いたのも事実だ。

 皐月賞の着差が、そのまま実力差とは思わない。条件一変。良馬場の東京2400メートル。皐月敗戦組にもチャンスはあるはず。共同通信杯を強い競馬で完勝したファントムシーフの巻き返しを狙う。デビュー2戦で3F33秒台の鋭い脚を連発。重馬場の皐月賞は道中の落鉄もあったというから、良の府中で、改めてその切れ味を見直したい。

 鞍上は武豊。ダービー6勝。「ダービーはテン乗りでは勝てない」。半世紀以上続く、ダービーの忌まわしきジンクスを打破できるとすれば、やはりレジェンドではないか。谷川牧場の生産馬がダービーを勝てば50年ぶり。73年、無敗2冠を懸けて挑んだハイセイコーを止めたタケホープ以来となる。歴史は繰り返す。そんな淡い期待も抱かせる。

 馬名は母ルパン2からの連想で怪盗の意味を持つ。ルパンの子がダービー馬の称号を華麗に、鮮やかに、奪い取る。(14)から。

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