【浜田の公式“券”解】22日京都11R ハーツコンチェルトが菊の大輪を咲かす

2023年10月22日 08:00

 菊花賞。ダービーが終わった時点で、無事に出走してくれば菊の本命はこの馬と決めていた。◎ハーツコンチェルト。上位2頭が好位でスムーズに運ぶ中、スタートがひと息だったハーツは初手は最後方。ダービーポジションが決まる1角では空馬に併走される最悪の展開だった。それでも向正面でポジションを上げ、3角手前で勝ったタスティエーラの隣へ。直線で先に仕掛けたが、追い出しにすぐ反応できない弱点が出て勝ち馬に離される。さらに内から馬体を併せてきたソールオリエンスから、終始厳しいプレッシャーを受ける形。それでもしぶとく伸び続け、上位2頭と差のない上がり3F33秒4をマーク。首+鼻差の3着まで迫った。上位3頭の中では明らかにロスの大きい競馬。菊に必要な持久力を最も示したのはハーツだった。距離延長、勢いをつけられる3角の下り坂、そして平たんな直線。淀の3000メートルは反応の鈍さを補える舞台設定だ。

 新馬戦を勝って以来、白星がない1勝馬。菊花賞を1勝馬が勝ったことはない。ただ、思い返せば今年のクラシックはジンクス打破がテーマ。皐月賞ではソールオリエンスが「京成杯V馬は勝てない」、ダービーではタスティエーラが「テン乗りでは勝てない」というジンクスをそれぞれ破った。今度はハーツコンチェルトが「1勝馬は勝てない」という菊花賞のジンクスを破る番だ。(12)から。

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