【七夕賞】ラーク重賞初V!“穴男”丸田、単勝万馬券呼ぶ巧騎乗

2018年7月9日 05:30

<福島11R・七夕賞>レースを制した(4)メドウラーク(左から2頭目)=撮影・村上 大輔

 穴男の面目躍如。初コンビの丸田が鮮やかなエスコートで、11番人気メドウラークを重賞初Vへと導いた。中盤まで後方2番手を追走。3角手前から一気に仕掛けた。外からかぶせたマイネルサージュを壁代わりに、コーナーを立ち回る。直線に向くと内の先行勢は既に手応えなし。残り100メートルで先頭に躍り出ると、食い下がるサージュを首差で振り切ってゴール。ターフビジョンに単勝1万80円が表示されると、低いどよめきが場内を包んだ。

 「過去のレースを見て、道悪が得意なのは分かっていた。いい位置を取りにいくことも考えたが、軟らかい馬場だったので、馬のリズムを崩さないよう運んだ」。良発表だが前日までの雨の影響が残る芝。丸田の判断は的確だった。「3〜4角で外から来た馬を上手にしのいでくれた。あそこで位置を守り切れたのがよかった」と勝利のポイントを振り返った。

 七夕賞での単勝万馬券は84年ホクトキンパイ(1万3250円)以来2度目。丸田にとっては5度目の単勝万馬券となった。丸田は先週土曜(6月30日)も、福島9〜11Rの特別3レース連続で、2桁人気馬を3着に導き波乱を演出。美浦屈指の穴男は「今日は馬の豊富な経験に助けられた」と手柄を7歳の相棒に譲った。JRA重賞7勝目となったが、うち5勝が2桁人気馬での勝利。「福島は初めて重賞を勝った競馬場で、特別な縁を感じている。勝ててうれしい」。その初優勝は10年福島記念。今回同様の追い込みVを決めたダンスインザモアは12番人気だった。

 橋田師も挙げた勝利の要因は鞍上と同じ。「外から締められず、4角を上手に回った。あそこで後手に回っていたら、直線で抜けて来られなかった。天候も味方したが、今日はジョッキーを褒めてやって」。祖母がトゥザヴィクトリーという良血だが、体質の弱さや喉の疾患で出世が遅れた。それでも我慢強く鍛え上げ、愛馬は見事に応えた。次走は未定も「サマー2000シリーズを考えたい」と師。歓迎されない七夕の雨を味方につけた波乱劇。まるで祝福するかのように、レース直後から落ちてきた大粒の雨が、口取り写真に納まるメドウラークの馬体を濡らしていた。

 ◆メドウラーク 父タニノギムレット 母アゲヒバリ(母の父クロフネ)牡7歳 栗東・橋田厩舎所属 馬主・吉田勝己氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績34戦6勝 総獲得賞金1億4591万7000円。

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