Dr.コパ“夢プラン”菜七子とのタッグで重賞とG1を!

2018年9月21日 05:30

藤田菜七子について熱く語ったDr.コパこと小林祥晃氏

 ――3年目を迎えた藤田菜七子が目覚ましい活躍を見せている。

 「デビュー当初は話題先行だったが、今は一時期よりも相当うまくなった。年間20勝(現在19勝)に手が届くところまで来たから。年間30勝ができれば中堅騎手と呼べる」

 ――今夏はJRA女性騎手の通算最多勝利記録を更新するなど記録ラッシュの活躍。

 「女性のJRA最多勝利記録は通過点にすぎない。ナナちゃん(菜七子)が目指すところは一流騎手の証である年間50勝。少なくとも毎週1勝を目指してほしい。毎週勝つことはとんでもないこと。乗り馬に恵まれ、競馬にも恵まれないといけないから。その中でいつか特別勝ちも出てくる」

 ――デビュー3年目で騎乗技術の変化をどう見る。

 「スタートがうまいのは天性のものだが、今は馬を追っても軸がブレない。デビューした頃はムチを打つ時と追う時のバランスが悪く馬が戸惑っていた。相当訓練したのが分かる。騎手は最後は剛腕と言われるぐらい力がある方が馬が伸びてくるが、ナナちゃんは男性騎手ができないような騎乗をする。あれが女性特有の当たりの柔らかさ」

 ――騎乗依頼する馬の選び方は。

 「僕は環境学(風水は環境開運学)を研究する人間。だから馬と騎手の相性という面においては他の人よりも分かっている。相性がいい馬に乗った時のナナちゃんは物凄い力を発揮する。着順より、はまりの良さが大事。動いてるなと感じた馬に乗ってもらう」

 ――17年3月コパノアラジンで初騎乗。

 「ナナちゃんが関西に遠征した時、乗り馬がそろわなかった。そこでアラジンに乗せてみたら上手に乗って2着(4番人気)に持ってきた。そして年内に2つ(500万下、1000万下)勝って。この子やれるな、と思ったのはアラジンの時」

 ――本人と連絡を取り合うこともあるか。

 「直接メールで連絡を取り合うことはある。他のオーナーに比べたらコミュニケーションは取れているのかな。こっちの気持ちをくんで騎乗してくれていると感じる。個人オーナーにしては勝ち星を多く挙げられていると思う。ナナちゃんを乗せる時は調教師に早めに連絡してもらっている。その方が段取りもいいから」

 ――新潟記念で8度目の重賞挑戦。重賞に乗る機会が増えてきた。

 「ナナちゃんに重賞を勝ってほしいと思うオーナーは多いと思う。それが多くの競馬ファンの夢でもあるから。G1騎乗が夢だろうけど、まずは重賞を勝たなきゃ。そこからG2、G1と階段を上がって一流騎手になってほしい」

 ――地方競馬にも積極的に騎乗している。

 「今はたくさん乗った方がうまくなる。地方から中央に来る騎手の腕がいいのはたくさん乗っているから。地方は小回りでトリッキーなコースが多く技術が上がる。それに地方の主催者やファンはナナちゃんを生で見たら喜ぶ。今、ファンを競馬場に呼べるのは武豊と藤田菜七子しかいない」

 ――今後の重賞で起用の可能性は?

 「コパノアラジンが屈腱炎にならなかったら、あのコンビでもう1つ2つは勝った。そうしたら重賞に2人で行けたと思う。今の所有馬では(500万下→1000万下を連勝した)コパノキッキング(セン3=村山)が今後、重賞まで行く馬。重賞に行くまで取りこぼしはできないから、お膳立ては先輩騎手に頼んで重賞のひと鞍だけ空けてくれとお願いすることも考えている。スッと行ける馬だからナナちゃんにも合う」

 ――地方の交流重賞はどうか。

 「交流重賞はもっと勝つチャンスがある。ダートで小回り。逃げがはまることが多いから。交流重賞の短い距離で出て行く馬がいれば乗せたい」

 ――絶大な人気に実力が追い付いてきた。

 「ナナちゃんを乗せて勝つとゴール前の声援は重賞級。騎乗がうまくなってきて乗せない手はない。競馬サークルの人間として藤田菜七子を育て上げることはオーナーにとっても楽しみだし、競馬界にとっても楽しみ。売上アップにもつながる」

 ――今後に期待することは。

 「デビュー戦から乗り育てて、一緒に階段を上がってきた馬で重賞まで行ってほしいのが本音。本来はそういうやり方がベスト。競馬は育てていくゲームだから。今までは根本調教師の力が大きかったと思うが、ここからは自分の力。女性騎手ではなく、一人のジョッキーとして“重賞を勝ちたい”と口にしてもいいんじゃないかな。応援するし頑張ってほしい」

 ◆Dr.コパ(どくたー・こぱ、本名小林祥晃=こばやし・さちあき)1947年(昭22)5月5日生まれ、東京都世田谷区出身の71歳。日本大学理工学部建築学科卒。一級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして風水・家相を用いた開運術の第一人者。01年に馬主資格を取得。本名の小林祥晃名義で「コパノ」「ラブミー」などの冠名の競走馬を所有。史上最多となるJRA&交流G1・11勝を挙げたコパノリッキー、ラブミーチャン、コパノリチャードなどG1ホースのオーナー。

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