【アイビスSD】木幡育、重賞初Vへ闘志 アンフィトリテで同期一番星だ

2019年7月26日 05:30

重賞初制覇を狙う木幡育

 新潟開幕週の名物G3「第19回アイビスサマーダッシュ」(28日)で重賞初制覇を狙うのは藤田菜七子(21)だけじゃない。アンフィトリテと初コンビを組む3年目の木幡育也(20)、ライオンボスに騎乗する5年目の鮫島克駿(22)も好機到来に意欲満々だ。直線1000メートルの電撃戦を前に、勢いに乗る若手騎手たちが火花を散らしている。

 三男坊が4度目の重賞挑戦に燃えている。「素晴らしいチャンスが巡ってきたので、ものにしたい。オーナーさん、調教師さんへの感謝の気持ちを結果で示したい。何とか勝ちたい」。木幡育は重賞騎乗のオファーを受けた喜びをかみしめるように力強く語った。

 自らつかみ取ったチャンスだ。木幡初広元騎手の三男としてデビュー前から注目を集めたが、船出は順風満帆ではなかった。1年目の12月に日本中央競馬会競馬施行規程に抵触したとして長期間の騎乗停止処分を受けた。再出発を期した2年目も同期5人で最少の15勝止まり。それでも3年目となる今年は既に10勝を挙げ、自己最多を更新するペースを維持。着実に力をつけてきた。6月9日の多摩川Sでは16番人気ファストアプローチを勝利に導き、メイン初V。夏の福島開催でも4勝。その全てが単勝10倍以上と“穴騎手”として勝利数以上の強烈なインパクトを残してきた。

 同期では今春に横山武が小倉、川又が福島で開催リーディングを獲得。1期上の先輩では、6月に菜七子がウィメンジョッキーズWCで優勝。7月に菊沢が七夕賞で重賞初Vを決めている。「(他の若手騎手の活躍に)刺激を受けています。負けたくない、自分もやってやろう!という思いです。もっと勝ちたいと常に思っています」。負けるつもりはない。狙うは同期の重賞V一番乗りだ。

 意気込む20歳の若武者が初めてコンビを組むアンフィトリテは近2走こそ2桁着順が続いているがデビュー3連勝を飾った素質馬。「直線競馬は初めてなので適性がある可能性もある。うまく馬の特長を生かしてスムーズに運べればチャンスはあると思っています。先行できる馬なので積極的に乗りたい」とレースのイメージを膨らませる。1分にも満たない5Fの電撃戦。「どの馬が勝つか分からないのが千直なので」。重賞でもアッと驚く騎乗を見せるつもりだ。

 ◆木幡 育也(こわた・いくや)1998年(平10)9月21日生まれ、茨城県出身の20歳。藤沢和厩舎所属。木幡初広元騎手の三男で、現役JRA騎手の初也、巧也の弟。17年にデビューし、同年4月15日・福島7R(オージーアイドル)で初勝利。重賞は今年1月の愛知杯(ティーエスクライ=11着)以来4度目の騎乗。同期は武藤、横山武、川又、富田がいる。

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