【仏・凱旋門賞】今から楽しみ、武豊×ブルーム
2019年8月30日 05:30 【競馬人生劇場・平松さとし】もう20日近く前の話になるが、エイダン・オブライエン調教師に招待していただき、アイルランドのバリードイルを訪ねた。
現在200頭以上を管理するという伯楽は60~70頭を3ロットに分けて調教。その最初のロットにマジカルやマグナグリーシア、サーカスマキシマスらと交じって、アンソニーヴァンダイクと並んで歩く馬に合うのが今回訪問した目的の一つ。この数日後、武豊騎手を乗せて凱旋門賞(G1、10月6日、仏パリロンシャン)へ挑むことが発表されることになるブルーム(牡3)だ。
本場英国ダービー4着馬で、その際、短頭差3着だったのがジャパンだった。そのダービーで負けた馬の中からは後に愛ダービー(G1)勝ちのソヴリンや、セントジェームズパレスS(G1)でトゥーダーンホットらを破って優勝したサーカスマキシマス、さらにはキングエドワード7世S(G2)でジャパンの2着となるバンコクらがいたため、今年のダービーはレベルが高いと思われた。
しかし、勝ち馬アンソニーヴァンダイクがキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)でブービーに敗れたことから一転して、実は3歳勢が弱いのか!?とも考えられたが、再び評価を土俵の中央へ戻したのがジャパンのインターナショナルS(G1)優勝だ。その前のパリ大賞(G1)勝ちは2着馬が仏ダービー12着など、大した相手がいなかったことから恵まれた感が強かったが、今度はあのクリスタルオーシャンを破ったのだから本物だ。そしてダービーではそれと僅差だったのがブルームなのだから、武豊騎手との今後にも期待が持てる。
私は13年前にもバリードイルを訪ねたことがあるが、A・オブライエン師が一頭一頭を全て把握し、調教の前後で乗り役全員に声を掛けては馬の様子をうかがう様は、今も昔も変わらなかった。世界中でG1を勝ちまくるのもうなずけるというモノだ。
ブルームは9月14日のセントレジャー(G1)を叩いて凱旋門賞から武豊騎手とコンビを組む。その後はジャパンC(G1、11月24日、東京)にも参戦予定。結果次第では来年のジャパンCも視野に入れていると伯楽は言う。天才騎手を背にどんな競馬をするのか、今から楽しみだ。(フリーライター)