【弥生賞】ワーケア再加速!ルメール背にエンジン全開「息遣い良い」
2020年3月5日 05:30 皐月賞トライアル「第57回弥生賞ディープインパクト記念」(8日、中山、3着までに優先出走権)の追い切りが4日、東西トレセンで行われた。美浦ではG1ホープフルS最先着3着のワーケアがルメールを背にパワフルな動き。ディープの現役時、国内で唯一黒星を付けた父ハーツクライ譲りの持続力が、レース名新装のメモリアルレースで火を噴く。
再加速へ。ワーケアが美浦に駆けつけたルメールを背に快走した。Wコースの4コーナー手前。鞍上が促すシーンはあったが、そこから一段エンジンが掛かった。5F65秒4~1F12秒6。3馬身前を走ったフォアシュピール(3歳1勝クラス)に半馬身まで詰めたところがゴールだった。
見栄えは一息だが、鞍上の穏やかな表情を見れば、不安は皆無。「まだちょっと重いみたい。折り合いもついたし、息遣いは良かった。フットワークも良かった。とても、イージーホース。乗りやすい馬です」
動きを確認した手塚師は「先週もしっかりやったけど、まだ重めだったので最後プッシュしてほしいと指示した。併せた相手も期待の馬だし、時計も65秒台が出ている」と納得顔。続けて「ジョッキーは“G1メンバーだともう少し絞れた方がいい”と言っていました。今回はG2だし、体自体はそんなに増えてない。いい仕上がりです」とクラシックを見据えつつ、トライアルで燃え尽きないような細心の仕上げだ。
前走・ホープフルSは3着に敗れ、連勝はストップした。ただ敗因は「スタート後に他馬に寄られて位置が悪くなった」(同師)とはっきり。前有利の流れで後方から諦めず伸びた機動力こそ潜在能力の証明だ。
今年から「ディープインパクト記念」の名称が加わった弥生賞。ワーケアの父ハーツクライはディープの1世代上で好敵手だった。産駒は昨秋スワーヴリチャード、サリオス、リスグラシューと立て続けにG1制覇。父の血の勢いはディープ以上!?かもしれない。05年有馬記念。父ハーツでディープを撃破したルメールは「ワーケアはまだまだパワーアップすると思う。本当は2200メートル以上あった方がいいかな?ただ2000メートルでもいいトライアルになると思う。中山は直線も短いので、できれば3~4コーナーでポジションを上げたい。絶対に能力があるからビッグチャンスだ」と父の成長力を熟知した上で力を込めた。現在の収得賞金1200万円では微妙な立ち位置だが、Vなら全3冠の出走権は手中にできる。父の思い出の中山で、父も歩んだクラシック出走権を自らつかみ取る。
【父ハーツは05年有馬記念でディープ撃破】ワーケアの父ハーツクライは弥生賞は使わず、皐月賞TR・若葉S1着で04年のクラシック皆勤。皐月賞14着、ダービー2着、1番人気に推された菊花賞7着とクラシック制覇は果たせなかったが、ルメールが騎乗した05年有馬記念(4番人気)では単勝1・3倍の同年3冠馬ディープインパクトを先行策から退け、悲願のG1初制覇を飾った。父の産駒はJRAのG1・12勝。牡馬クラシックは14年ダービーをワンアンドオンリーが勝ち、父が果たせなかったクラシック制覇の夢をかなえた。