【桜花賞】デアリングタクト90点 激しい気性の「政子」

2020年4月7日 05:30

激しい気性をしているデアリングタクト(撮影・亀井 直樹)

 英語で「大胆な戦法」(デアリングタクト)と命名された青鹿毛の特長はトモにあります。尾の付け根が上に付いている馬はトモが見栄えしづらいもの。それでも格好良く映るのは筋肉が質量ともに際立っているからです。トモは馬のエンジン部に相当します。筋肉で隆起したトモがあれば大胆な戦法も取れます。前肢も負けていない。滑らかな肩の傾斜、良く抜けた首差し。冬毛は少し残っていますが、肋(あばら)もパラリと浮き、いつでもスタンバイOKといった仕上がりです。

 顔立ちは非常にきつい。鋭い目、とがらせた鼻、ハの字に広げた耳。激しい気性がうかがえます。少々古いが41年前のNHK大河ドラマ「草燃える」のヒロイン、北条政子をイメージさせます。夫の源頼朝亡き後、鎌倉幕府を動かした尼将軍も激しい気性で知られていました。浮気した頼朝を懲らしめるため、愛人の屋敷を打ち壊す大胆な戦法を取ります。

 激しい気性はしばしば闘争心に転化する。デアリングタクト(大胆な戦法)を可能にする大きなエンジンも搭載した青鹿毛の政子です。

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2020年4月7日のニュース