ダービーも無観客開催が決定 戦時中以来76年ぶり、JRAでは史上初

2020年4月23日 11:10

<第86回日本ダービー>日本ダービーを制し大声援に応えるロジャーバローズ鞍上の浜中騎手(撮影・会津 智海)

 JRAは23日、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、5月末まで引き続き無観客で行うと発表した。G1では天皇賞・春(5月3日)、NHKマイルC(10日)、ヴィクトリアM(17日)、オークス(24日)、ダービー(31日)の無観客開催が決まった。6月以降の開催の取り扱いについては今後改めて発表する。

 2月29日から始まった無観客競馬。1954年のJRA創立以降、初めてG1を無観客で行ってきた。創立以前にさかのぼると、終戦前年の1944年にダービーが無観客で行われたことがある。

 ウインズ、エクセル、パークウインズ、J―PLACEへの入場、発売、払い戻しは引き続き取りやめ。中央競馬の発売、払い戻しは電話・インターネット投票のみ。また、競走馬の他ブロック競走への出走制限、騎手の移動制限などの感染拡大防止策の期間も5月末まで延長された。

 ◇無観客のダービー 戦局が緊迫した1944年、東条英機内閣はこの年の競馬を中止、主要レースのみ馬券発売のない非公開(無観客)の能力検定競走にすると決定した。レースはカイソウが圧勝。その後、カイソウは無観客の菊花賞でも1位入線するが、出走馬6頭全馬がコースを誤認したためレース不成立。幻の菊花賞馬となったカイソウは陸軍・名古屋師団の乗馬として買い取られ、翌45年5月の名古屋大空襲で行方不明になったとされている。

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