【ヴィクトリアM】アーモンド不動心!女王の風格で5F64秒1 史上最多タイ芝G1・7勝へ視界良好
2020年5月14日 05:30 大記録へ視界良好だ。春の最強牝馬決定戦「第15回ヴィクトリアマイル」の追い切りが13日、美浦、栗東両トレセンで行われた。史上最多タイとなる芝G1・7勝目を目指すアーモンドアイは、美浦Wコースで軽快な動きを披露。コロナ禍によるドバイ開催中止のアクシデントを乗り越え、日本が誇る最強牝馬が今年初戦に向け万全の態勢を整えた。
アーモンドアイが馬場へと向かった午前7時前。それまでトレセン全体を包んでいた白く濃い朝モヤが一気に晴れた。女王の登場を歓迎する天の粋な演出を受け、華麗なステップでWコースへ飛び出した。ハヤヤッコ(4歳オープン)が先導しクロスキー(3歳未勝利)を挟んで3頭目を追走。先頭と2秒近くあった差をコーナーで一気に詰める。直線は最内へ。手応えに余裕を残したまま5F64秒1の好時計で楽々と併入した。
「先週しっかり負荷をかけたので、今週はまたがった瞬間から素軽い感じだった。一つ一つの動きが先週よりも力強かった。無理はしていないが、やっぱり動きますね」。手綱を取った三浦皇成の声が弾んだ。コロナ禍による東西騎手の移動制限で美浦に来場できない主戦ルメールに代わり、2週続けて“代打調教”に騎乗した鞍上は続けた。「何回か調教パートナーは務めたことがあるので、クリストフが乗るイメージで乗った。全てにおいてレベルが高い。日本を代表する牝馬。言葉では言い表せないが、追い切りだけでも乗れたのは素晴らしいことだと思う」
国枝師も「いい感じのフィニッシュ。相変わらずのいい動き。特に気になるところもない」と満足顔。連覇を狙った3月のドバイターフは現地到着後に中止が決定。レースを使うことなく帰国したがダメージはなかった。「往復の輸送と帰国後の着地検査もあったが疲れはなく、いつものアーモンドアイ。昨年のドバイ帰りと比べても馬が動じていない。普段のしぐさ、体つき、メンタル。どれを見ても影響は感じない」。経験を積み、たくましさを増した愛馬に目を細めた。
史上7頭目となる芝G1・7勝目が懸かる一戦。「分かりやすい数字で名馬に肩を並べるのは素晴らしいこと。先につながるパフォーマンスを見せてほしい」と指揮官。視線は既にさらなる記録更新を見据えている。社会全体の暗いムードを吹き飛ばす、豪快で華麗な走りを。最強馬の使命とファンの期待を背負い、20年初戦に臨む。
【今年中に新記録?】アーモンドアイは牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)に加えジャパンC、ドバイターフ、天皇賞・秋と芝G1・6勝。今回Vなら7勝目でシンボリルドルフやディープインパクトと並ぶ歴代最多勝となる。今後は未定だが秋には天皇賞やジャパンCが候補となる見込み。今年中に新記録を達成する可能性も十分にある。