【函館記念】アドマイヤジャスタ 重賞初V!ブービー15番人気が突き抜け“大波乱”343万馬券に

2020年7月20日 05:30

<函館記念>直線で差し切り勝利したアドマイヤジャスタ(左

 北で西でビックリ仰天の大荒れだ!!夏の函館を締めくくるサマー2000シリーズ第2戦「第56回函館記念」はブービー15番人気のアドマイヤジャスタが突き抜けて重賞初V。3連単343万2870円のレース史上最高配当の大波乱。阪神で行われたサマーマイルシリーズ第2戦「第68回中京記念」は最低18番人気メイケイダイハードが重賞初Vで、同330万2390円とこちらもレースレコードのジャンボ配当。超伏兵の劇走連発で、WIN5は「的中0票」だった。

 ドッカ~ン。これぞ函館記念名物。ド派手な花火が夏空に打ち上がった。苦闘する人気馬をあざ笑うように、中団からアドマイヤジャスタが突き抜けた!!単勝はブービー15番人気。3連単343万2870円は函館記念史上最高の超ビッグ配当だ。

 初コンビの吉田隼は「ビックリしましたけど、うれしかった」と笑みがこぼれた。驚くのも無理はない。昨年2月すみれS2着を最後に掲示板入りなし。パシュファイヤー(目の周りを細かな網状で覆うカップ状の馬具)を初めて着用した前走・鳴尾記念(6着)で着順を上げていたが、まさか勝ち切るとは…。テレビの前で見ていたファンもビックリ仰天だろう。

 吉田隼は最終追いの手綱も取り、須貝師と綿密なコンタクトで特徴はつかんでいた。「のんびりしたところもある馬。スタートだけうまく切れたらいいなと思っていたが、思ったより出てくれて、いいポジションで競馬ができた。有力馬を見る形で運べた。気を抜く面もある馬なので、最後はしっかりと追った」

 一方、須貝師は「隼人(吉田)が理想の競馬をしてくれた。道中で気を抜く面があるので、馬群でいじめてくれとお願いしていた。外枠(14番)でもうまく内に入れてくれた」と鞍上をまず称賛した。父ジャスタウェイ(天皇賞・秋などG1・3勝)は指揮官自らが手掛けた名馬。函館は初めてだったが、力を要するといわれる洋芝適性を見抜いていた。「お父さんは道悪もうまかったし、力のいる洋芝も向いたと思う。それに(祖父の)ハーツクライの系統だから晩成型。3歳だとまだ体が完成しない面もあって、4歳になって良くなったんだろう」

 2歳時のG1・ホープフルS(2着)ではサートゥルナーリアと1馬身半差の実績馬。再び軌道に乗った今、偉大な父に続くG1制覇も夢ではない。吉田隼が「まだ4歳なので、これからまた良くなってほしい」と期待を込めれば、須貝師は「同じ洋芝ということで札幌記念(8月23日)を使うかはこれから考えたい」と夏王者を見据えつつ、さらなる進撃を誓った。

 ◆アドマイヤジャスタ 父ジャスタウェイ 母アドマイヤテレサ(母の父エリシオ)牡4歳 栗東・須貝厩舎所属 馬主・近藤旬子氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績14戦3勝 総獲得賞金9582万8000円。

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