【スプリンターズS】高野厩舎勢い背にアウィルアウェイ雪辱のG1獲りへ

2020年9月30日 05:30

スプリンターズSにスタンバイした高野厩舎のアウィルアウェイ

 【G1ドキュメント・栗東=29日】先週のオールカマーはゴール前、手に汗握る攻防だった。好位から早めに動いたカレンブーケドールが押し切る態勢に持ち込む。だが、末脚に懸ける5歳牝馬センテリュオがぎりぎり鼻差捉え、重賞初制覇のゴールを駆け抜けた。レース後、高野師は検量室前で馬と戸崎を拍手して迎えた。調教が終わるのを見計らい、柏原は改めてトレーナーに喜びの声を聞いた。

 「メチャクチャうれしかったんですよ。いずれ繁殖入りした際に重賞を勝っていると、それがずっと残るわけで、本当に大きな鼻差でした。G1・3勝馬(フィエールマン)が回避したとはいえ、色あせることはないと思います。やっと重賞を勝たせてやれた…というか、この馬が自分で勝ち取ったタイトルですよね」

 競馬は一頭一頭の競走だから厩舎の勢いなど関係ないかもしれない。ただ、勝負事にはいい流れ、悪い流れは確実に存在する。そういう意味で今、高野厩舎に追い風が吹いているような気がしてならない。この絶妙なタイミングでアウィルアウェイがスプリンターズSにスタンバイ。前走・北九州記念3着から中5週で、ぴったりと狙いを絞ってきた。

 「前走は2着が欲しかったが一定の満足はできる内容。よく走ってくれました。元々、暑さに強い方ではなくて夏場の調教後は息の戻りも遅い。だいぶ涼しくなってきたし具合はいいですよ」

 今年初戦のシルクロードSを差し切りV。続く高松宮記念は11着。「スタートが決まらず、その後のポジション争いも負けてしまって…」。ただ、勢力図を塗り替えるだけの脚は備わっている。悔しさだけが残った、あの敗戦から6カ月。捲土(けんど)重来を期して再度G1に挑む。

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