【スプリンターズS】日曜日の「昼」はルメールに注目!
2020年10月2日 05:30 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、フランスでは凱旋門賞が行われる。今年も武豊騎手やディアドラの参戦で注目されているが、現地フランスでこの大レースと双璧の人気を誇るレースがある。ディアヌ賞(G1)だ。シャンティイ競馬場の芝2100メートルが舞台で3歳牝馬のみが出走可能。いわゆる各国のオークスに相当するレースだ。
この人気のレースを過去に3回も勝っているのがC・ルメール騎手。日本でオークスを制したソウルスターリングの母スタセリタでもこのレースを勝利しているが、最初に勝ったのは2005年。桜花賞に該当するプールデッセプーリッシュまで3つのG1を含む7戦7勝のディヴァインプロポーションズで臨んだ。
「管理するP・バリー調教師に、前の晩、家に来るように言われました」
フランスの調教師は騎乗法についてとにかく細かく指示をする。この時も「作戦会議?」と思い、出向いたルメール騎手に、バリー師は思わぬひと言を告げた。
「“道中、最後方だけはダメだけど、後は好きに乗りなさい”と言われました」
自信があるのだと思うとかえってプレッシャーになったというが、いざゲートが開くと好発から何の苦労もなく好位へ。最後まで危なげなく勝利した。ちなみにこの時、3着のパイタという馬には横山典弘騎手が騎乗していたのだが「1頭だけ次元の違う馬がいた」と舌を巻いていたものだ。
現在は日本で活躍するルメール騎手。今週は凱旋門賞ではなくスプリンターズS(G1)に騎乗する。コンビを組むのは昨年の桜花賞を一緒に制したグランアレグリア。先出のソウルスターリングと同じ美浦・藤沢和雄調教師の管理馬だ。先日JRA通算1500勝を達成したこの伯楽について、ルメール騎手は言う。
「フランスの調教師とは正反対で、何一つ指示されることはありません。それだけ信頼してくれると思う半面、だからこそ間違った騎乗はできないといつも肝に銘じて乗っています」
日曜日の午後は日本でスプリンターズS、夜はフランスで凱旋門賞。いずれも注目したい。(フリーライター)