【秋華賞】デアリングタクト 史上初の無敗牝馬3冠へ!有観客再開後初の初G1で歴史的快挙に期待
2020年10月12日 05:30 史上初の偉業に挑戦だ!牝馬3冠目G1「第25回秋華賞」は、18日に京都競馬場でゲートイン。ヒロイン最有力候補は桜花賞、オークスを無傷で連勝したデアリングタクト(牝3=杉山晴)だ。牝馬3冠達成なら18年アーモンドアイ以来、史上6頭目の快挙だが、無敗の3冠牝馬となると過去に例がない。10日から事前指定席購入者限定による有観客での開催が再開。戻ってきたファンの前で、歴史的快挙を成し遂げる。
牝馬では1頭もいない「無敗3冠」の称号。その未踏の地へ目前の位置にいるのがデアリングタクトだ。
ひと夏を越して状態も上がる。7日の1週前追い切りでは松山を背に栗東CWで単走。6F80秒6、しまい1F12秒0を余裕でマーク。杉山晴師は「この馬に関しては気持ちの部分でぶっつけのほうが調整しやすい。気性面は春と比べて思った以上に成長してるし、体も20キロくらい増えてます」と表情に一点の曇りもない。
デビュー以来、初めて単勝1番人気に支持されたオークスでは、レース前からハイテンション。距離は未知の2400メートルで、2コーナーでは他馬に寄られる接触不利まであった。「1~2角で狭くなったり接触したりなので(ポジションを)下げて(脚を)ためることに専念したんです。直線も狭くなったけど馬場の真ん中を伸びて強い競馬をしてくれました」と鞍上の松山は勝ってホッとした表情を見せていた。海外メディアも驚がくした3F上がりタイムは衝撃の33秒1。規格外のパフォーマンスで2冠を達成した。
「大胆な戦法」という意味の馬名が示すように、リードする松山のゴーサインが出れば、すぐさま切れのある末脚を繰り出す。この息ピッタリのコンビなら、オークス以来となる“ぶっつけ本番”という大きな課題も問題ないだろう。
舞台は改修前のラストシリーズとなる京都競馬場。京都といえば、デビューVを飾った思い出の地。通算成績も2戦2勝と実績は十分だ。杉山晴師は「(有観客開催の再開について)牝馬も牡馬も3冠が懸かっているので、いいタイミングではないでしょうか。ファンの皆さんにいいレースを見ていただけたらと思っています」と歴史的快挙の達成を心待ちにする。
エピファネイアも京都で3戦3勝と得意としていた。父が初G1制覇(13年菊花賞)をした古都で、孝行娘が偉業達成へ。制限付きながらも有観客開催再開となってからの初G1で勝利を飾り、あのアーモンドアイでもなし得なかった無敗での牝馬3冠という称号を勝ち取る。
≪96年エ女杯→秋華賞≫牝馬クラシックの桜花賞とオークスに加えて、70年に“牝馬の菊”ビクトリアカップ(京都芝2400メートル)が創設された。76年にエリザベス女王杯(エ女杯)へ名称を変更。96年にエ女杯は古馬を加えた牝馬統一女王決定戦になり、3歳牝馬限定は秋華賞(京都芝2000メートル)に変わった。牝馬3冠とは、76~95年は「桜花賞、オークス、エ女杯」、96年以降は「桜花賞、オークス、秋華賞」のことを指す。
≪牡馬はコントレイルが3頭目の無敗3冠挑戦≫中央競馬の長い歴史の中で、いまだに達成されていない無敗牝馬3冠。一方、25日に行われる菊花賞では、コントレイル(牡3=矢作)が無敗での3冠に挑戦するが、クラシックでは過去に2頭(84年シンボリルドルフ、05年ディープインパクト)がこの偉業を成し遂げている。