夢のJRA勝利へ甲田師好発進

2020年10月16日 05:30

初勝利を挙げて口取りで笑顔を見せる甲田師(右)と山崎裕也師(左)、山崎誠士

 【地方からの風】12日の川崎5R。ビービーグラビティが先頭でゴールを駆け抜けた瞬間、厩務員控所前のモニターを見つめる集団から歓喜の声が上がった。今月1日に開業した甲田悟史師(47=川崎)の記念すべき初勝利。山崎裕也師とハイタッチを決めると同師の頬は見る見るうちに緩んだ。

 山崎尋美厩舎の厩務員出身。初勝利をもたらしたのも山崎誠士。自ら「山崎ファミリーです」というだけに2戦目での達成にはその見えない後押しもあったはずだ。同師は長野県上田市の出身。競馬との出合いはトウカイテイオーが活躍した高校時代。大学進学で上京し、府中近郊をテリトリーにして本格的にハマったと言う。その後、北海道の牧場勤務を経て高崎競馬の厩務員。03年に馬主の紹介で川崎に移った。

 初勝利を挙げた後は「知り合いから花が届いたり、高崎時代の調教師から電話もいただいた。こんなに祝福されるのは初めて」と人のつながりを感じた日だった。まずは6馬房からのスタート。目指すは高崎時代に目の当たりにした「タマルファイター」だ。97年の新潟3歳S(当時、G3)2着、99年吾妻小富士オープン1着など地方在籍のまま中央の芝で活躍。「南関東はなかなかJRAに出走しないが条件が整えば挑戦して勝利を挙げたい」。自らの夢へ向け、まずはしっかりとした土台づくりが始まった。

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