【秋華賞】ダンツエリーゼ令和の大番狂わせだ
2020年10月16日 05:30 【G1ドキュメント・栗東=15日】秋華賞は3戦無敗の良血レイパパレが除外。穴馬4頭が抽選を突破しゲートに滑り込んだ。オサムが狙いをつけていたダンツエリーゼも関門を突破。がぜん面白くなってきた。
舞台は先行馬有利に運ぶ京都の内回り2000メートル。が、前に行きたい馬が殺到し、“えげつない”前つぶれになることがたまにある。
オールドファンなら記憶に焼き付いているはず。そう。1番人気トゥザヴィクトリーをはじめ人気馬が軒並み馬群に沈んだ99年を。後方からカッ飛んで来たのは18頭立て12番人気のブゼンキャンドル。2着にこれも2桁人気のクロックワークが入線し馬連で9万円超の驚愕(きょうがく)配当になった。
今年、同様の大駆けを演じるのがダンツエリーゼ。思えばブゼンキャンドルも秋華賞までに挙げた2勝はともにダート。前哨戦のローズSで3着に食い込む力走を見せていたが、父モガミ。切れ味勝負では見劣ると思われていたのだ。
一方、ダンツエリーゼは芝・ダート兼用のキズナ産駒。前走で見せたあの一撃脚が芝でも使えるようなら脅威に他ならない。運も引き寄せた本田師は「芝は問題なく走る」と強気。太宰も「芝も走る。後ろからの競馬になるのは間違いないし、前日に雨が降りそうなのもこの馬にはありがたい」と週末の空模様も知った上で虎視眈々(たんたん)だ。
無傷3冠を狙うデアリングタクトの末脚におびえ、有力馬は軒並み早めに仕掛け動く。ほとんど最後方から末脚勝負に徹するエリーゼこそ警戒すべき。太宰は不敵にこう笑んだ。「狙いますよ」。エリーゼよ、令和のブゼンキャンドルになれ!!