【京阪杯】フィアーノロマーノ 重賞2勝目!得意の阪神で7戦ぶり“復活”

2020年11月30日 05:30

<京阪杯>クビ差で勝利し京阪杯を制したフィアーノロマーノ(左手前)(撮影・奥 調)

 短距離G3「第65回京阪杯」が29日、阪神競馬場で行われ、3番人気のフィアーノロマーノ(牡6=高野)が直線で外から豪快に伸びて差し切り勝ち。得意の阪神で19年ダービー卿CT以来、重賞2勝目を飾った。

 計ったように差し切った。スタートを決めたフィアーノロマーノは狙い通りのポジションを取った。吉田隼は「1200メートルだったので、リズム良く運びたかった」と振り返る。終始、促し気味の追走で7番手をキープ。4角で一気に馬群が固まり、内ラチ沿いから7、8頭分の外を通って追い上げ態勢に入る。直線に入ってゴーサインが出ると巨体を揺らしてぐんぐんと加速。坂を上がり、鞍上の左ムチが入るとさらに勢いを増した。先に抜け出したカレンモエをゴール手前できっちりとらえ、首差先着した。

 「スタートも良かったので馬場のいい所を選んで走れた。前にいる馬は力のある馬だったので、差し切ってくれて良かったです」

 鞍上は夏の函館記念で今年初めてのタイトルを手にすると毎月、重賞勝ち星を量産。自身のキャリアハイを更新する重賞5勝目に「出来すぎ。これだけの馬に乗せてもらい結果を出せてホッとしています。また(重賞を)勝てるように頑張ります」と笑顔を見せる。

 高野師と鞍上の作戦もハマった。「僕も言う前に乗り役から“前に出して行っていいですか?”と。理想的な競馬だったし、結果的にいい位置で運べたと思う」と振り返る。

 強い絆で結ばれている。高野師&吉田隼はコンビを組んで5度目の重賞挑戦で初勝利を飾った。トレーナーは喜びをかみしめながら「調教を手伝ってくれているので、一緒に重賞を獲れて本当にうれしいですね」と鞍上の好騎乗に最敬礼。

 昨年のダービー卿CT以来、7戦ぶりの久々の美酒。実績のある阪神で復活ののろしを上げた。トレーナーは「年齢を重ねても一線級の位置にいます。まだ上を目指していきたい。今後は馬の様子を見ながら阪神C(12月26日、阪神)を目標にしたい」とプランを示唆。オーストラリア産の遅生まれのハンデを乗り越えて本格化。短距離界の主役へ向かってさらなる高みを目指す。

 ◆フィアーノロマーノ 父ファストネットロック 母ハートアシュリー(母の父ライオンハート)14年8月21日生まれ 牡6歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・吉田和美氏 生産者・豪州のKia Ora Stud 戦績18戦7勝 総獲得賞金2億231万8000円 重賞2勝目 馬名の由来はイタリアのコムーネの1つ。

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