【朝日杯FS】ソダシに続くゾ!須貝厩舎 ヴェローチェでもう一丁 16年藤沢和厩舎以来の2歳G1連勝だ

2020年12月16日 05:30

<朝日杯FS>G1制覇を狙うステラヴェローチェ(撮影・亀井 直樹)

 今年の中央競馬もラスト2週。今週の「第72回朝日杯FS」は重賞ウイナーがそろって上位きっ抗ムードだ。「G1テーマパーク」は名門厩舎対決に注目。今年の2歳戦で勝利数トップの須貝厩舎は白毛馬ソダシに続くG1獲りを期してステラヴェローチェを起用する。先々週チュウワウィザードでチャンピオンズC勝ちの大久保厩舎はショックアクションで参戦。3頭出しで臨む全国リーディング首位・矢作厩舎はカイザーノヴァが一発ムードを漂わせている。

 ゴールドシップやジャスタウェイといった名馬を育てた須貝厩舎からアイドルホースが誕生した。先週の阪神JFでソダシが白毛馬初となるG1制覇。来年の競馬界を大いに盛り上げてくれそうだ。そんな“白い恋人”を管理する須貝師は今年の2歳戦で厩舎別トップとなる14勝をマーク。この世代は10頭が勝ち上がっており、次々とスター候補が出ている。

 今週の2歳G1朝日杯FSにも2戦2勝のステラヴェローチェがスタンバイ。担当の山田助手が「今まで乗った2歳馬の中でも突き抜けている。ソダシと一緒で、普通の2歳とはモノが違うと思う」と絶賛する逸材だ。

 7月の新馬戦は同じ阪神芝マイルでV。重賞挑戦したサウジアラビアロイヤルCは、後方一気で3馬身差の楽勝だった。3カ月ぶりで体が14キロ増え、パワーアップ。「新馬の時から少しずつビルドアップして、ストライドも大きくなっている。スピード、パワーもついて、新馬の時とは別の馬みたいですね」と急成長に目を細める。

 東京芝マイル戦での好走歴は当舞台に直結しやすい。先週のソダシも東京マイル重賞のアルテミスSを勝って参戦。サウジアラビアロイヤルCの覇者も17年以降、朝日杯FSで1→3→1着と、3年連続で馬券に絡んでいる。今年は不良馬場で差し切りV。「フワフワして進んで行かなかったが、あのパフォーマンスをしてくれた。(横山)典さんも良馬場で走らせたいというイメージを持ってくれていますよ」と振り返る。

 記録ずくめだった20年の中央競馬。そのテーマの一つとして「無敗」が挙げられるだろう。無敗で牡牝の3冠を制したコントレイル、デアリングタクト。先週は僚馬ソダシがデビュー4連勝を飾った。朝日杯FSも近年は無敗Vがトレンドだ。過去5年、無敗馬が4勝。15年リオンディーズ(キャリアは1戦1勝)、17年ダノンプレミアム(2戦2勝)、18年アドマイヤマーズ(3戦3勝)、19年サリオス(2戦2勝)と目下3連勝中だ。

 16年には東の名門・藤沢和厩舎が、阪神JF(ソウルスターリング)→朝日杯FS(サトノアレス)と史上初の2歳G1連勝を飾った。2歳戦絶好調・須貝厩舎の勢いなら、2週連続のG1制覇も十分ありそうだ。

 ≪2歳重賞では48戦10勝≫ゴールドシップ、ジャスタウェイなど名馬を育て上げた須貝厩舎は2歳の早い時期から活躍する馬が多い。これまで2歳重賞では48戦10勝(2着8回)の好成績。2歳G1のうち、阪神JFは3勝(12年ローブティサージュ、13年レッドリヴェール、20年ソダシ)している。朝日杯FSは過去3頭を送り込み、15年シャドウアプローチ(11番人気)の3着が最高着順。

 ◆須貝 尚介(すがい・なおすけ)1966年(昭41)6月3日生まれ、滋賀県出身の54歳。85年に父の須貝彦三厩舎から騎手デビュー。重賞4勝を含むJRA通算302勝を挙げ、08年に調教師免許を取得して引退。09年に厩舎を開業してJRA通算399勝、うち重賞38勝、G1はゴールドシップやジャスタウェイ、アドマイヤリードなどで12勝。

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