【有馬記念】“炭治郎勝負服”バビット逃げの型!菊反省生かし必勝調整パターン、浜田師「体戻った」

2020年12月24日 05:30

坂路を軽快に駆け上がるバビット

 菊の舞台には落とし穴があった。バビットはハナを奪えなかった以上に、調整に反省点が残った。馬体重が12キロ減ってしまったのだ。浜田師が振り返る。

 「調整で攻めたことが良くなかったですね。当日輸送も合わなかったのか…。当日、見ても“アレッ”と思いました。4連勝中の調整パターンに戻します」

 最終追いは坂路単走で4F55秒6~1F13秒1をマークした。時計自体はいたって平凡。でも、これでいいのだ。首を大きく使い、力強く駆け上がってきた。トレーナーが切り出す。

 「馬なりでしまい重点。動き自体は良かったですね。気負っている部分があったので、ガス抜きできたらと思っての調整。短期放牧を挟んで、体自体も戻っていますね」

 いつの時代もきっぷのいい逃げ馬は見る者の胸をアツくする。令和の時代も同じだ。3走目に未勝利を脱出。そこから逃げの手で快進撃が始まった。1勝クラスを勝ち上がり、ラジオNIKKEI賞で重賞初V。続くセントライト記念も制し、完全に自身の戦法を確立した。

 「作戦に迷いはありません。ハナに行く競馬をしたい。自分の形に持ち込めれば、力を出してくれますからね。力勝負より、紛れが起こるコースの方がいいと思う。重賞も勝っているし、中山は問題ないです」

 ゲートが切られる位置を考えれば、やはり内枠を引きたい。反撃のラストピースは、今日の枠順抽選に託された。

 「今回は抽選会場には行けないけど、人に委ねた方がいいのかな(笑い)。ゲートの中は問題ないし、後はタイミングだけ。奇数でもいいから内が欲しい」

 父ナカヤマフェスタは10年に8番人気で宝塚記念を制した。そんな血筋を受け継ぎ、息子として11年越しのグランプリ。穴党の気持ちをたぎらせる、魅惑の逃亡劇に熱視線を送ろう。

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