【クイーンC】アカイトリノムスメ、桜街道まっしぐら!ディープ×アパパネ重賞初V、東京3連勝

2021年2月14日 05:30

クイーンカップを制した戸崎騎乗のアカイトリノムスメ(撮影・西川祐介)

 3歳牝馬重賞「第56回クイーンC」が13日、東京競馬場で行われ、戸崎圭太(40)騎乗の2番人気アカイトリノムスメ(国枝)が差し切り勝ち。母も制した桜花賞(4月11日、阪神)の主役候補に一気に躍り出た。父ディープインパクト×母アパパネの3冠配合は産駒4頭目にして重賞初制覇となった。

 偉大な母アパパネをほうふつさせる勝負強さ。3冠配合の最強DNAが府中で三たび羽ばたいた。タイム差なしの激闘をものにして東京マイル3連勝を飾ったアカイトリノムスメ。その姿を国枝師は牝馬3冠を全て接戦で制した母に重ねた。「少しずつだけど近づいてきたかな」

 アカイトリは道中中団やや前の外。抜群の手応えのまま、4角で先行勢に並びかけ、父譲りの切れ味で瞬時に抜け出した。後方待機アールドヴィーヴルが外から迫ると、今度は母譲りの勝負根性を発揮。「最後まで気を抜かずにしっかり走っていた。未勝利戦(昨年10月)以来の騎乗だったけど凄く成長を感じたし、強い勝ち方だった」と鞍上の戸崎。差は首から全く詰まらなかった。

 厩舎で育った競走馬を「家族のような存在」と表現する国枝師。自ら手掛けた3冠牝馬の娘で再びクラシックへの挑戦権をつかみ取り、「やっぱり格別にうれしいよね」と目尻を下げる。戸崎にとっても特別な勝利。4歳上の全兄モクレレの主戦も務めるが重賞には手が届かず。「またアパパネの子供で勝ててうれしい。ファンも多い血統だと思うので良かった」と胸をなで下ろした。

 今後については「桜花賞へ直行になると思う」と師。同じく金子真人ホールディングスが所有する無敗の2歳女王ソダシとの対決が注目を集める。国枝師は「さすが、凄いオーナーだね。(アカイトリと白毛馬で)紅白だよ」とちゃめっ気たっぷりに仁川決戦を待望する。「まだまだこれからの馬。欲を言えばきりがないけど、競馬がうまくて、今日も体が増えていたからね。このまま順調にいってくれれば」。“赤い鳥(アパパネ)の娘”とストレートに名付けられた超良血馬。無限の可能性を秘めた長女は、懸命に母の背中を追っている。

 ◆アカイトリノムスメ 父ディープインパクト 母アパパネ(母の父キングカメハメハ)18年4月16日生まれ 牝3歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績4戦3勝(重賞初勝利) 総獲得賞金5104万円。馬名の由来は「赤い鳥(アパパネ)の娘」。

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