【金鯱賞】デアリング撃破!ギベオン大金星V 4年目・西村淳が30度目の重賞挑戦で念願初タイトル

2021年3月15日 05:30

<金鯱賞>デアリングタクト(左手前)を振り切り勝利するギベオン(右)(撮影・亀井 直樹)

 シンガリ人気馬が大本命馬を完封!中京競馬場にG1馬4頭が集った「第57回金鯱賞」は、単勝227・3倍のギベオン(牡6=藤原英)の逃亡劇がさく裂する波乱の決着となった。今年始動戦の3冠女王デアリングタクトは、猛然と迫ったものの惜敗2着。また、阪神競馬場では桜花賞TR「第55回フィリーズレビュー」が行われシゲルピンクルビー(渡辺)が快勝。姉のシゲルピンクダイヤが踏んだ舞台(19年桜花賞2着)へ駒を進める。

 デビュー4年目の若手が大金星に導いた。10頭立て最低人気で単勝オッズ227・3倍の伏兵ギベオンがまんまと逃げ切って大波乱を演出。初コンビで勝利に導いた西村淳は30回目の重賞挑戦で念願の初タイトルを獲得した。検量室前に戻ってきた鞍上は担当スタッフとガッチリ握手を交わす。普段はあまり喜怒哀楽を表に出さないが、ようやく訪れた最高の瞬間に喜びを爆発させた。

 「ようやく勝てました。既に重賞を勝利している後輩もいたので素直にうれしいです。馬が頑張ってくれました」

 五分のタイミングでスタートを決めると迷わずハナへ。前半1000メートルは61秒4と絶妙なラップを刻み、4コーナー手前では後続を引きつけて直線へ。最後まで無我夢中に追い続けた。「余裕はなかったですし、何とか耐えてくれ、と祈るだけでしたね」。鞍上の思いにパートナーが応え、ゴール前は持ち前のしぶとさを発揮。3冠牝馬デアリングタクトの猛追をしのいだ。

 JRA重賞での単勝払戻金2万2730円は歴代6位。金鯱賞の最高払戻金となった。阪神でレースを見届けた藤原英師は「ジョッキーがうまく乗ってくれた。重賞初勝利やろ?良かった。指示と作戦をうまく実行してくれた」と好騎乗を称えた。

 西村淳にとって待望のタイトル奪取となり、ギベオン自身は18年中日新聞杯以来、2年3カ月ぶりの重賞Vとなった。次走は未定ながら再び軌道に乗ったのは確か。人馬ともに、この勝利が飛躍へのきっかけになりそうだ。

 ◆ギベオン 父ディープインパクト、母コンテスティッド(母の父ゴーストザッパー)15年2月20日生まれ 牡6歳 栗東・藤原英昭厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績18戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億739万3000円。馬名の由来はナミビアで発見された隕石(いんせき)の名で発見場所の名。

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