【大阪杯】グランアレグリア 距離不安一掃!3頭併せで我慢覚えた「コントロール利くようになった」

2021年4月1日 05:30

<大阪杯>ルヴォルグ(右)、アルファウェーブ(中央)と併せて追い切るグランアレグリア(撮影・郡司 修)

 「第65回大阪杯」の最終追いが3月31日、東西トレセンで行われた。美浦では昨年の最優秀短距離馬グランアレグリアが3頭併せで併入し、大人になった姿を披露。精神面の成長をうかがわせる動きで初の2000メートルへの距離延長の不安を一掃した。

 調教スタンド1階に陣取った藤沢和師を報道陣がソーシャルディスタンスを取って取り囲んだ。視線の先には追い切りを控えたグランアレグリア&ルメール。Wコースに姿を現した昨年の最優秀短距離馬を見て、師は「ルヴォルグ(5歳3勝クラス)、アルファウェーブ(4歳1勝クラス)、グランアレグリア」とつぶやいた。藤沢厩舎恒例の3頭併せの馬名を報道陣に告げると、JRA・G1・32勝の名伯楽の目の奥がきらりと光った。

 2馬身ずつの等間隔。アレグリアは前の2頭を見て最後方から進んだ。行きたがるそぶりは全く見せず、人馬の呼吸はぴったり。3~4角で最内に入ると、コーナリングを利して一気に差を詰める。直線に入ってもルメールは仕掛けることなく、馬なりで併入した。時計は6F81秒1~1F12秒8。師は「今までは一生懸命なところがあって大変だったけど、後ろにいても割と穏やかに走れていた。だいぶコントロールが利くようになった」と満足げにほほえんだ。

 昨年は1200メートル、1600メートル戦をG1を2戦ずつ戦い4戦3勝。特に安田記念では当時、現役最強と言われたアーモンドアイを完封。今回は昨年の牡馬3冠馬コントレイルが相手となるが、アーモンドアイを物差しにすれば、アレグリアが“現役最強馬”と言っても過言ではない。

 ただ、今回の舞台は2000メートル。デビュー以来初めての距離への挑戦に師は「1600メートルでも行きたがっていたから1200メートルを使ったけど、スプリンターズSを見て1200の馬じゃないなと思った。早くから2000メートルを使いたいと思っていたし、コントロールも利くようになってきたから」と説明した。

 距離不安を払しょくするため、陣営は中間の調教メニューに工夫を加えた。アレグリアを先行させて、道中で後続の2頭にかわさせるもの。追い抜かれてもムキにならず、折り合いを覚えさせるためだ。その効果は、この日の最終追いにしっかり表れた。ルメールは「3~4角で我慢することができた。レースごとに乗りやすくなってきた。距離は大きな挑戦ですが、スタートからリラックスしてほしい。冷静に走ったら絶対2000メートルもいける」と自信の口ぶり。スプリント、マイルに続いて“3階級制覇”に挑む。

 ≪モーリスに続け≫JRA賞の「最優秀短距離馬」受賞馬が、受賞翌年以降に2000メートルのG1を勝った例としては15年受賞馬モーリス(16年天皇賞・秋)が挙げられる。同馬は16年安田記念2着後、まずは札幌記念(2着)で2000メートルの脚慣らし。続く天皇賞で1番人気に応え、2着リアルスティールに1馬身半差をつけて、ねじ伏せた。

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