【オークス】ファインルージュ 0秒1差からの成長、桜惜敗ソダシに雪辱へ

2021年5月17日 05:30

桜花賞ではソダシ(左)に0秒1差の3着に屈したファインルージュ

 今週の東京は3歳牝馬3冠の第2弾「第82回オークス」がメイン。無敗ロードを突き進む白毛の女王ソダシが断然の主役だが、逆転に燃えるライバルにも注目。桜花賞3着のファインルージュが、卓越したセンスで樫の女王を狙う。桜花賞は内寄りから伸びてソダシと0秒1差。鞍上・福永は現役最多タイのオークス3勝。空前のアイドル馬ソダシに、アッと言わせるシーンがあるかも!?

 逆転戴冠へ。ファインルージュが燃えている。福永との初コンビで挑んだ桜花賞は6~8番手のインから、先に抜けたソダシを追うように粘り強く伸びた。3着。人気大沸騰の白毛馬にファンの視線は集中した!?がわずか0秒1差だった。

 レース後、福永は「期待通りの走り。勝ち馬とは現時点の完成度の差かな。伸びしろがあるし、今後が楽しみ」と期待を膨らませれば、木村師も「道中からいい形で運べていた」と大きな収穫を感じていた。

 桜花賞後はノーザンファーム天栄へ放牧。5日に美浦帰厩後は順調に調整されている。12日の1週前追いはWコースで6F83秒5~1F12秒0(馬なり)。長めの距離をのびやかなフォームで駆け抜けた。指揮官は「基礎体力をつけるべく彼女中心のフットワークで大きく走らせた。正直やるしかない…の思い。活力も上がって、レールに乗ってきた感がある」と評した。

 昨夏新潟1200メートルの新馬戦(2着)でデビューし、前2戦のマイルが最長経験。800メートル延長は?誰もが気になるポイントだ。

 「距離は大丈夫じゃないかと思って、やっていくしかありません。確かに(母の父の)ボストンハーバーなど見れば、不安要素もある。ただ操作性の高さとか、臨むにあたってはポジティブにいきたい」

 ディープボンド(天皇賞・春2着)など長距離馬も出す父キズナは万能種牡馬。母系をたどれば、96年菊花賞馬ダンスインザダークの名。指揮官も評価する競走センスを生かせば、2400メートル克服は夢物語ではない。

 「ファインルージュもいずれはお母さんになる。その時に、いい種馬につけてもらえるように…。タイトルを獲らせてあげたい」

 桜花賞3着からの逆転Vは17年ソウルスターリングなど7頭。鞍上・福永は現役最多タイのオークス3勝(04年ダイワエルシエーロ、05年シーザリオ、07年ローブデコルテ)。頼れる仕事人だ。父キズナがダービーを制した樫舞台で、ソダシとの再戦を心待ちにしている。

 ▽オークス 英国のオークスを模範に1938年(昭13)創設。戦前は阪神優駿牝馬として旧鳴尾競馬場で開催。戦争による中断を挟み、戦後46年に東京で優駿牝馬として復活。当初は秋開催も53年から現行の春開催に変更された。

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