【オークス】ソダシ 怪物ゴールドシップ手がけた今浪厩務員が日々の手入れで“磨き上げた”白さ
2021年5月20日 05:30 オークスウイークの注目の的である白毛馬ソダシの連載「白い伝説」。第3回はソダシを担当する今浪隆利厩務員(62)に迫った。G1・6勝のゴールドシップも手掛けた名厩務員は大一番に向けて、馬体を白く磨き上げる。
祖母シラユキヒメから受け継いだ純白の馬体。毛色は遺伝によるものだが、担当する今浪厩務員が日々の熱心な手入れで“磨き上げた”白さでもある。真っ白な馬体は、それだけ汚れが目立ちやすい。「奇麗に見せなあかんからな。毎朝、一番に馬体をチェック。汚れているところがあれば、シャンプー使って洗っているよ。なくなるのも早いわ」
その白さを際立たせるために、馬具のカラーも白で統一。パドックでは金子オーナーの勝負服と同じ柄(黒、青、黄色)のメンコを着用するが、レースは白いメンコで走る。「メンコを二重で着け、ゲート裏で一枚外している。調教師からの指示で、馬具は白一色に。あの馬に合わせて真っ白にした」と明かす。「周りからは“今浪さんも白い服で引っ張ったら”と言われるんやけどね」と苦笑い。
芦毛の怪物ゴールドシップも担当した腕利き厩務員。多くの期待とプレッシャーを感じながら、G16勝という輝かしい成績を残した。「シップの時もそうやったけど、プレッシャーは何回やってもあるよ」。それでも、ファンの存在は励みになる。「桜花賞が終わって、反響は凄かったな。応援してくれるファンがいてくれるのは、ありがたいこと。一日、一日を無事に過ごし、競馬を迎えられたら」と気を引き締める。
かつて、今浪厩務員がゴールドシップのレース当日、スパイダーマンのトランクスを“勝負パンツ”としてはいていたのは有名な話。ならば、ソダシの場合は白?かと思いきや「今回はディズニー、アラジンのジーニーの柄やねん。新馬の時からはいていた」と教えてくれた。アイドルホースと名厩務員のコンビが再び、競馬を盛り上げる。オークス当日、磨き上げられた純白の“映える”馬体がファンの前で光り輝く。
◇今浪 隆利(いまなみ・たかとし)1958年(昭33)9月20日生まれ、福岡県北九州市出身の62歳。小倉競馬場の近くで育って競走馬に興味を抱いたことから、この世界を志した。内藤繁春厩舎、中尾正厩舎を経て須貝厩舎へ。中尾正厩舎でシングルロマン(86年京阪杯)やビッグシンボル(97年万葉S)、須貝厩舎でバックトゥジエース、ゴールドシップ(13&14年宝塚記念などGI・6勝)、レッドリヴェール(13年阪神JF)といったオープン馬を担当してきた。