【オークス】アカイトリノムスメ 打倒ソダシへ新コンビ・ルメールと絶賛追い「バッチリだね」

2021年5月20日 05:30

<オークス>ルメールを背に併せで追切るアカイトリノムスメ(右)=撮影・村上 大輔

 打倒ソダシの最右翼は同じ金子真人ホールディングスが所有する超良血馬アカイトリノムスメ。3週連続G1制覇が懸かるクリストフ・ルメール(41)を背に、美浦Wコースで絶好の動きを披露した。

 無限の成長力は父譲りか、それとも母譲りか。ディープインパクト×アパパネ、3冠馬カップルの長女アカイトリノムスメが、桜花賞からわずか1カ月余りでたくましく進化している。小雨に濡れた450キロの気品ある馬体が、“短期間でも馬は変わる”と雄弁に物語る。

 Wコースでの最終追い。2週連続で手綱を握ったルメールがうなった。「フットワーク、反応が良く、乗りやすくてスタミナも大丈夫。先週乗った時よりも良くなっていた。バッチリだね」。2馬身先行したショウナンカホウ(3歳未勝利)の直後でピタリと折り合い、直線入り口で内からスッと並びかける。楽な手応えで併入し、5F68秒4~1F12秒9を計時した。

 母も育てた国枝師が超良血馬の進化を解説する。「安定しなかったカイバ食いが、この中間ようやく良くなった。筋肉の張りが出てきて、ブリッとしているよ。体が引き締まったね」。元来備えていた「ディープらしい」素軽さに、「アパパネっぽい」力強さをアップデート。「今日もいいフットワークだった。コントロールが利くから距離延長は全く心配ない。広い東京コースでは負けてないし、条件はいいと思うよ」。強気の言葉を並べた。

 最大のライバルは同じく金子真人ホールディングスが所有する無敗の白毛馬ソダシ。桜花賞ではマークする形で追いかけたが0秒2差及ばなかった。新コンビの鞍上は、アルテミスS(ククナ)、阪神JF、桜花賞(ともにサトノレイナス)と3戦連続でソダシに敗れた2着馬に騎乗。純白の女王の強さは誰よりも知っている。「ソダシをマークしていきたい。1番人気じゃないからノープレッシャー(笑い)。今週も頑張ります」。3週連続のG1勝利が懸かる名手は不敵に笑う。

 国枝師も「ソダシは負けていない。勝負強い。ルメールさんはあの馬をマークする形でいくのでは」と意識する。忖度なし、府中の紅白馬合戦。競馬ファンにおなじみの“金子服”「黒、青袖、黄鋸歯形」同士の叩き合いが樫の舞台を熱くする。

 ≪3組目母娘制覇へ≫アカイトリノムスメが勝てば、クリフジ(43年)&ヤマイチ(54年)、ダイナカール(83年)&エアグルーヴ(96年)に続き、3組目のオークス母娘制覇となる。母娘ともに同一調教師が管理しての達成となれば史上初の快挙だ。国枝師は「アパパネの時は同着。レース直後は“負けた~”と思ったぐらいの接戦だった。今回はスッキリと勝ってほしいね」と愛娘の好走を祈った。

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