【安田記念】グランアレグリア 中2週必勝仕上げ!G1連勝へ不安なし、藤沢和流の坂路ソフト追い

2021年6月3日 05:30

坂路を追い切るグランアレグリア(撮影・西川祐介)

 G1連勝へ不安なし!「第71回安田記念」(6日、東京)の追い切りが2日、美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦ではグランアレグリア(牝5=藤沢和)が坂路を4F53秒6~1F12秒5で軽快に上がり、ヴィクトリアマイル制覇からの中2週での臨戦や中間にささやかれた爪の不安を一掃する走りを見せた。同レースは3日に出走馬が確定。枠順は4日に決定する。

 衝撃のヴィクトリアマイル4馬身差完勝から17日。安田記念でG1・6勝目を狙うグランアレグリアの最終追い切りは坂路コースで行われた。いつもはウッドチップコースで行われることが多いが、前走から間隔が詰まっていることを考慮、負荷をかけ過ぎないようにするための選択だ。藤沢和師は腕組みをして柔和な表情を浮かべながら坂路モニターを見つめた。

 セルフィー(4歳3勝クラス)、サンクテュエール(4歳オープン)を先行させてスタート。鞍上の杉原(レースはルメール)の手綱は抑えられたまま。アレグリアとの呼吸はぴったりだ。馬なりのまま先行勢に並びかけたところでゴール。来年2月に70歳定年を迎える名伯楽は満足そうに笑みを浮かべた。

 タイムは4F53秒6~1F12秒5。師は「今回は初めての中2週。間隔が詰まっているということで坂路でやりました。いつも速い時計を出す馬ではないですが、一生懸命走る馬ですし調教は良かったと思います」と説明した。杉原も「出来は前回と変わりない。歩様を含めて気になる点はなかった。時計は出ているし、しっかり気持ちも入っていて、我慢も利いていた。体も維持できています」と話した。

 今までにグランアレグリアが最も間隔を詰めて走ったのは、3歳春の桜花賞→NHKマイルCの中3週。桜花賞は快勝したが、NHKマイルCは1番人気ながら5着(4位入線後、降着)に終わった。当時ルメールは「スタートが良くなかったし道中もずっと掛かっていた」とコメントした。当時とは馬が違う。同レースを最後に道中で力むシーンは消えた。気性面の成長は著しい。競走馬として完成した今、偉業を果たすことは可能だろう。

 昨年、1番人気のアーモンドアイを破って改めて存在感を示した。ディフェンディングチャンピオンとして臨む今年は、昨年アーモンドアイが達成できなかったヴィクトリアマイル→安田記念連勝に向け、盤石だ。

 《09年ウオッカ以来のVM→安田記念連勝》ヴィクトリアマイルを勝ち、同年安田記念に出走した馬は過去に5頭。09年ウオッカが連勝を決めている。また、グランアレグリアは芝1600メートルでは圧倒的な強さ。同距離の重賞で歴代最多タイの5勝(18年サウジアラビアRC、19年桜花賞、20年安田記念、マイルCS、21年ヴィクトリアマイル)を挙げている。

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